【※関連リンク】
■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.1――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏に聞く相手の目線に立ったコーチングとは
■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.2――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏に聞く組織力を向上させるコーチングとは
■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.3――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏に聞く若手のコーチングとは
■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.4――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏と語る“若手の育て方”
プロフィール
長澤 徹 氏
京都サンガF.C. ヘッドコーチ(所属、プロフィールは取材当時のもの)
清水東高校、筑波大学を経て、ヤマハ発動機サッカー部に入団。ジュビロ磐田、ジャパンフットボールリーグの本田技研を経て引退。本田技研のコーチ、FC東京でトップチームコーチ、FC東京U-15深川監督、トップチームヘッドコーチなどを歴任。ジュビロ磐田、ファジアーノ岡山のコーチを経て、2015年にファジアーノ岡山の監督に就任。その後、2019年よりFC東京に復帰し、トップチームのコーチ兼U-23監督。その後、2021年、京都サンガF.C.のヘッドコーチに就任。
小寺 昇二 氏
株式会社ターンアラウンド研究所 共同代表、主席研究員/公益社団法人日本アナリスト協会認定アナリスト 国際公認投資アナリスト
1955年生まれ、都立西高校、東京大学経済学部を経て、1979年第一生命入社。企業分析、ファンドマネジャー、為替チーフディーラー、マーケットエコノミスト、金融/保険商品開発、運用資産全体のリストラクチャリング、営業体制革新、年金営業などを経験。2000年ドイチェ・アセットマネジメントを皮切りに、事業再生ファンド、CSRコンサルティング会社(SRI担当執行役員)、千葉ロッテマリーンズ(経営企画室長として球団改革実行)、ITベンチャー(取締役CFO)、外資系金融評価会社(アカウントエグゼクティブ)、IT系金融ベンチャー(執行役員)、旅行会社(JTB)と転職を重ね、様々な業務を経験し、2015年より埼玉工業大学教授、現在、埼玉工業大学非常勤講師。この間、多摩大学社会人大学院客員准教授、日本バスケットボール協会アドバイザー、横河武蔵野スポーツクラブ(兼務)。現在(公社)日本証券アナリスト協会認定アナリスト、国際公認アナリスト。著作に「実践スポーツビジネスマネジメント~劇的に収益性を高めるターンアラウンドモデル~(2009年、日本経済新聞出版)、「徹底研究!!GAFA」(2018年 洋泉社MOOK 共著)など。
「師」を持つことの重要性
小寺氏:スポーツ、特にサッカーの育成では、どうやって選手を育てていくのかを関係者が共有しないといけないと前回(※)長澤さんが仰っていましたね。見る目がある人からすると、選手の伸びしろまで見えているのでしょうか。その後の努力やパフォーマンスの積み重ねも大事だと想像しますが。【※関連リンク】
■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.4――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏と語る“若手の育て方”
長澤氏:指導者が究極的に試されるのは人を見る目なんだと思います。人を見る目というのは、上から選手を見るような権力目線ではいけません。
小寺氏:サッカーでは、チームという組織として、指導者など幹部に対する育成はどのように行っているのでしょうか。選手への対応や組織の回し方など、最後のVol.5ではそういったリーダーの在り方を深堀りながら、長澤さんにお伺いできればと思います。世界のサッカーチームを見ると、成功するチームのリーダーのタイプが変わってきているように感じます。選手と対等な関係に立ち、育成にも心を砕くコーチ的なマネジメントが主流になっているのではないでしょうか。命令で選手を動かすといった考えは通用しないようにも感じます。
長澤氏:クロップ(※現リヴァプールFC監督。独自の戦術によって、ドイツやイングランドなど欧州主要リーグで複数のチームを優勝に導いた経験のあるドイツ人監督)が通り過ぎたマインツ、ドルトムントといったドイツのチームでは、彼がいなくなっても成長を続けています。本当の意味でクラブが潤うためには勝利と同時に成長を促せるチーム、ビジネスサイドなどにも大きな影響を与える存在が欧州のリーダーと言えます。だから、向こうではマネジャーと呼ばれているんです。監督という語感では表せない影響を与え、波及力を持っている人です。
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