そう思う 57.9%
わからない 15.9%
そう思わない 26.2%
結構、みんな、挑戦的・・・意識として、「挑戦しなければいけない」ということがわかっているようです。
目立ったり、人と違うことをしたり、そういうことは避ける傾向が強くなっていることに異論のある人は少ないのではないでしょうか。
この設問のミソは「常に」と書いてあるところです。
たまになら、失敗しそうでもチャレンジして良いのです。
それくらいの意識は持っていて、おそらく経験も多少あるのです。
ならば、そこを生かして、軽い挑戦を繰り返して、失敗してもフォローして、うまくいったらよくほめて、育てていくことが肝要です。(なんか、この間テレビで見た犬のしつけ方みたいだな)
また、問題は、新人の側にだけあるのではありません。
私は、「企業の側」が若手の失敗を許さないようになってきていることに、より不安を感じています。
ある不動産会社では、新入社員に問い合わせ顧客を回さない、ということがありました。
わざわざ来店されたお客様ですから、購買の意向は持っているわけです。
そんな見込み客を逃しては、店舗の売上に悪影響が生じます。
なので、確実に営業できるベテランが問い合わせ客を担当するのです。
でも、かつては多数来られるお客様を新人、ベテラン分け隔てなく振り分け、担当させ、管理者がフォローしながら成功させ(時に失敗も)て育てたはずです。
サービスメンテナンス会社では、新入社員の基礎研修期間が半年、現場でのサブ経験をさらに一年、つまり一年半経たないと一人で現場に出ないのです。
かつては、半年で現場に出させていましたが、メンテナンス知識の多様化、複雑化を理由に時間がかけられるようになりました。
でも、これまでだって、中途半端な知識で現場に出て、実戦で覚えていったはず。
ここでのいいわけは、
・「新米で中途半端なプロ」だと、お客様に迷惑をかける
・今は競争がきびしい。わずかな失敗が命取りになる
等というものです。これはこれで理解できますが、現場に放り込んで、そこで学ぶことがどれくらい重要かは、経験者だからこそわかっているはず。
要は、ベテランや管理者が新人をカバーする余裕がなくなっただけなのです。(違うかなぁ・・・)
多くの「自己実現」や「成功法則」の本のなかでは、失敗すること、失敗を恐れないことを奨励しています。
また、経営者というのは、社内でもっとも失敗を重ねてきた人であったりもします。
失敗を恐れず、まずトライしてみて、そこでだめだと見極めたら、早々に撤退し、成功したわずかな事業を成長させることで、経営者は成長する、などと書いてある本もあります。
失敗を恐れていては、何もできない。チャレンジすることが重要だ・・・ということは頭でわかっていても、多くの人は、そんなに挑戦的なことばかりをして、変化のある生活を送っているとは思えません。大多数の人は臆病で保守的で、今の延長線上での生活を望んでいるのではないかと私は思うのですが、どうでしょうか?
もし、挑戦的な人が世の中に一杯いたら、エキサイティングなことが毎日起こるような社会になっているはずですが、そんなことはありません。
私の周りの人は、大体、平凡な毎日を過ごしていますし、おそらくそれが一番幸せです。
個人的な感覚ですが、多くの人は、こんな人ではないかと思うのです。
・新しい飲み屋を開拓するのに、ドキドキする(だから、ガイド本が売れる 表から中が見えればいいのですが、閉まっているとどんな人がいるのか、どんな店なのか…心配)
・異性に積極的にアプローチなんかできない(肉食系ばかりなら、もうちょっと婚姻率、出生率は上がっているに違いない)
・目の前にチャンスが落ちていても、どうしようか悩んで挑戦し損ねる(あの時、あの話に乗っておけばなぁ、などと思う)
・100万円の余裕資金があっても、株式の取り引きをやってみようとは思わない(定期に入れてみたりはする。がんばって外貨定期?それも為替が読めないからなぁ)
このように「石橋を叩いても渡らない」人が大多数ではないかと思います(私の周りだけですか?)
でも、実は、それくらい臆病な人でないと成功しないのではないかと思うのです。
失敗が予測される場合には、きちんと対応策をとっておく必要があるからです。
対応策を取れる人、準備をきちんとする人が実は成功するのではないでしょうか。
人が考えないような大胆なこと、多くの人とは正反対のことをやると成功する、などと書かれているものもありますが、それは結果的にそうなったのであって、実は徹底した実験、検証、準備があっての成功であったりします。
うろ覚えで申し訳ないのですが、アムンセンとスコットの南極探検の比較を書いた文章を読んだことがあります。簡単に言うと、「アムンセンはかなり前から念入りに南極点到達の準備を進めていたが、スコットは功をあせった」ということです。たとえば、輸送の主力をアムンセンは犬橇、スコットは馬橇にし、補給基地には、いくつもの目印を幅広く用意したアムンセンに対して、スコットは一つの目印だけ、と言った具合なのです。
アムンセンは、それらの策を様々な経験、実験から導き出しています。
成功に必要なのは、この熟慮された準備(経験、実験、検証からの確信と保険策)。
組織に冒険は必要ありません。
そこまで熟慮して失敗したら、それは天の采配。実験だったとあきらめて、原因を追究し、再挑戦しましょう。
世の中の多くの失敗は、熟慮なき行動にあります。熟慮し尽くして、行動を始めたら、そこからは大胆に、というのが基本だと思います。この「大胆な」ところだけまねて行動すると、失敗するのです。
新入社員であれば、新しいことに挑戦させるときに、きちんと手順やその意味、成功した時のやりがいなどをイメージさせ、送り出したいところです。失敗を恐れず挑戦させ、そこから学ぶことは仕事を学ぶ上で必要ですし、新入社員の失敗くらいカバーできるベテラン社員でありたいと思います。
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