「ミドル」を切り口に、様々な組織でチャレンジしているビジネスパーソンに、ミドル層の役割やあるべき姿、課題などに焦点を当てながらお話を伺い、組織づくりのヒントをお届けしていく本連載(※)。第6回目は、大手企業からフリーランスに転身し、海外ノマドワーカーとして海外と日本を行き来しながら、企業のマーケティング戦略をサポートしている大澤 あつみ氏にお話を伺った。大澤氏は、トヨタ自動車株式会社に約13年勤め、法人営業と国内の車種ブランディングや販促企画を担当。その後フリーランスとして、会社員時代に培った広告宣伝のスキルを活かし、 企業のマーケティング戦略コンサルティングや販促支援を行っている。海外ノマドワーカーのコミュニティの運営にも携わり、フリーランスとして様々な企業を越境しながら普段交わることのない組織同士を繋げるハブとしての役割も目指している。本記事では、大手企業とフリーランスそれぞれの経験から大澤氏が見た、「人の巻き込み方」や「カルチャー浸透」のポイントなどを中心にお届けしていく。

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プロフィール

  • 大澤 あつみ 氏

    大澤 あつみ 氏

    海外ノマドワーカー(フリーランス)

    東京都出身。早稲田大学卒業後、トヨタ自動車(株)へ入社。法人営業で官公庁担当を経て、2015年より広告宣伝に携わる。車種コミュニケーション戦略立案、制作、施策展開まで国内の販促企画業務全般に従事。2022年に退職し、フリーランスとしてマーケティングのアドバイザーや海外ノマド体験プログラム「ノマドニア」の運営メンバーをしている。大企業で培ったスキルの活かし方を考える「大企業スキル勉強会」主宰。

  • 三浦 孝文 氏

    三浦 孝文 氏

    オイシックス・ラ・大地株式会社
    経営企画本部 経営企画部 部長

    大分県別府市出身。関西学院大学を卒業後、(株)D2C、クックパッド(株)での人事経験を経て、2017年1月より現職入社。HR本部人材企画室の責任者を経て、現在は経営企画本部内にて全社の中期経営計画や各部門の年度戦略の策定支援、経営にひもづく会議体の事務局など、マネジメントシステムの進化・仕組みづくりを担当。社外では兼業で(株)GlocalKの組織経営アドバイザリー、人事コミュニティ「人事ごった煮会」の発起人。

Ep.6:大企業とフリーランスそれぞれの経験から紐解く「人の巻き込み方」と「組織のカルチャー浸透」

外の世界が、社内では気づかなかった自分の強みを見つめ直す機会になった

Ep.6:大企業とフリーランスそれぞれの経験から紐解く「人の巻き込み方」と「組織のカルチャー浸透」
三浦氏:本日はよろしくお願いします。まずは、大澤さんのこれまでのキャリア変遷について教えていただけますか。

大澤氏:よろしくお願いします。私は、大学を出てからトヨタ自動車に入社し、法人営業や国内車種の販促企画を経験しました。販促企画の仕事は、車種コミュニケーション戦略の立案、TVCMやWEB制作のディレクション、オウンドメディアの記事制作などです。それからフリーランスになり、今に至ります。

三浦氏:最初に、新卒でトヨタ自動車を選択されたのは何故なんですか。

大澤氏:当時は「良い会社に入れば安定」という単純な思いがあり、大きい会社を見ていたのですが、入社の決め手は、仕事の領域がグローバルで成長できると思ったこと、また、日本を良くしようという想いが強く社会貢献できると感じたことでした。

三浦氏:その当時から考えたら、今のフリーランスという働き方は全く想像していなかった選択ですよね。社会人経験の中で徐々に培われたのでしょうか。

大澤氏:そうですね。大きなきっかけは、外の世界を知る機会があったことだと思います。広告宣伝の部署への異動を機に、マーケティングの勉強として社外セミナーやオンラインサロンに参加するようになりました。そこには価値観軸で人が集まっていて、普段なら出会わない職業や世代の人たちと出会う経験を通し自分の世界が広がる感じがしたんです。それに、社内と社外で異なる環境を行き来することで、会社の中では気づかなかった自分の強みを見つめ直せました。社内では当たり前に思っていた基礎的なビジネススキルが社外では当たり前じゃないと気づいたのが大きなきっかけかもしれません。強みを認識できるとそれぞれでの活動に相乗効果も出てきました。

三浦氏:実際にフリーランスになったきっかけは、どういったことだったのでしょうか。

大澤氏:仕事に不満は無く、やりがいもあったのですが、このまま同じ会社にずっと居続けていいのだろうかとモヤモヤしていたんです。そのタイミングでコロナ禍になって、好きだった海外旅行に行けなくなったことで「やりたいことは、やれるときにやらないと後悔する」と思いました。新卒から13年働いてある程度の経験や実績を積んできたので自分の中で一区切りつき、次のステップに行くために一度会社を辞めて自分の時間を作ろうと決めました。もちろん会社を辞めるという決断には不安も大きく時間がかかりました。ですが、そのときに『ノマドニア』という海外に1ヵ月間滞在して10種の職業体験をする海外ノマドワーカー体験プログラムを見つけ、「これは私のためのプログラムだ」と直感的に応募したんです。会社員しか知らなかったので、フリーランスのなり方を教われるなら行ってみようと思ったのと、旅行も兼ねられるし一石二鳥だなと。

三浦氏:そのときの学びを経て、今はどういった仕事をされているのでしょうか。

大澤氏:今は、会社員時代に培った広告宣伝スキルを活かしながら、マーケティング戦略のアドバイザーやコミュニティマーケティングの企業での業務委託、『ノマドニア』の運営メンバーなどに携わっています。

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