岸田首相が「個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じる」と表明し、注目度が高まっているリスキリング。リスキリングとは、「新しいスキルを身につけ実践し、新しい業務や職業に就くこと」を指す。なぜ今、その重要性が叫ばれているのか。また、経営層や人事担当者として、社員のリスキリングを促進するためにはどのような考え方や施策が必要なのか。本講演では、リスキリングに精通する法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/株式会社キャリアナレッジ代表取締役社長 田中 研之輔氏と一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー 後藤 宗明氏が、人的資本経営時代におけるリスキリングの重要性や、具体的な実践手法などを解説していく。
「リスキリング」の重要性を人的資本経営やキャリア開発の観点から紐解いていく
田中 研之輔 氏
講師:

法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/株式会社キャリアナレッジ代表取締役社長 田中 研之輔 氏

UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学 /博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外顧問を35社歴任。個人投資家。著書32冊。『辞める研修 辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。主著『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』。最新刊に『プロティアンシフト』 日経ビジネス 日経STYLE他メディア多数連載 プログラム開発・新規事業開発を得意とする。
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後藤 宗明 氏
講師:

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー 後藤 宗明 氏

富士銀行(現みずほ銀行)入行。渡米後、グローバル研修領域で起業。米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を設立に貢献。米フィンテック企業、通信ベンチャーを経てアクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。その後、AIスタートアップABEJAにて米国拠点設立、AI分野の研修企画を担当。リクルートワークス研究所にて「リスキリング~デジタル時代の人材戦略~」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年より現職。
一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ

人的資本の最大化につなげるリスキリングの在り方とキャリア形成

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー 後藤 宗明氏

そもそも「リスキリング」とは何か

私からは「人的資本の最大化につなげるリスキリングの在り方とキャリア形成」と題してお話していきたいと思います。

まず自己紹介をさせてください。私は社会人になってから40歳になるまで、全くデジタルやテクノロジーの分野に関わったことがなかったのですが、40歳の時に一念発起してデジタル分野にキャリアチェンジしました。そこから業務を通じてリスキリングをしてきたわけです。直近はアメリカでのAIのスタートアップを経て、帰国後の2021年に非営利団体のジャパン・リスキリング・イニシアチブを立ち上げました。

ここでは大きく二つのことをやっています。一つは政府や自治体向けの政策提言、もう一つは企業へのリスキリング制度導入のご支援です。

これまでの人材育成や社会課題解決、デジタルの各分野での経験を活かし、現在はリスキリングの普及活動を行っています。2022年に『自分のスキルをアップデートし続ける「リスキリング」』という本を出版し、現在第6刷と多くの方に読んでいただいています。また、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023イノベーション部門賞総合4位」にもなり、リスキリングは大変多くの方に注目されていると受け止めています。
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