第10回 日本HRチャレンジ大賞『イノベーション賞』
ラボラティック株式会社
離れて働くチームの「雰囲気」をSlack解析+簡単サーベイで解析するチームワークサポートシステム『We. for Remote Work』
最新の組織心理学フレームワークに基づき、Slack解析x簡単アンケートで離れて働くチームの「雰囲気」を見える化し、改善アクションを提案する本サービスは、HRテクノロジーの活用により、働く時間や場所、契約形態にとらわれない多様な働き方に対応し、テレワーク時代に必要な組織マネジメントをサポートできるサービスであることが革新的であり、高く評価されました。プロフィール
三浦 豊史 氏
ラボラティック株式会社
2004年にニューヨーク市立大学卒業後、現地のクリエイティブエージェンシーR/GA New Yorkでビジュアルデザイナーとして勤務。2007年に帰国後は、GoogleにてインダストリーマネージャーとしてAdWordsやYouTubeの広告営業・ コンサルタントに携わる。2016年、ラボラティック株式会社を創業。早稲田大学大学院商学研究科卒業。
代表取締役社長
リモートワークは組織運営に多くの課題をもたらしている
――今回、「日本HRチャレンジ大賞」の『イノベーション賞』を受賞された「We. for Remote Work」とは、どのようなツールでしょうか?「We. for Remote Work」は、ビジネスチャットツールのSlackを用いた行動解析を通じて、リモートワークで離れて働くチームメンバーの雰囲気や心理、コミュニケーションの状況などを可視化し、さらにサーベイと組み合わせることで、チームの現状を分析するツールです。また、可視化・分析するだけではなく、改善のためのアクションプランを提示することで、組織の生産性向上にも大きく貢献します。
――このツールが開発された経緯や背景についてお聞かせください。
弊社は2016年の創業以来、チームの状態を自動で可視化・解析するツールを、アップデートを繰り返しながら作り続けてきました。そうした中、“働き方改革の加速”と“コロナ禍”という2つのパラダイムシフトが、「We. for Remote Work」の開発を後押しする大きな契機となりました。今や多くの企業が、リモートワークや、リモートワークとオフィス出社を組み合わせたハイブリッドワークの導入を推進しています。その一方で、社員間の物理的・精神的距離が広がったことにより、組織運営に課題を抱えている企業も少なくありません。「リモートワークをしている社員やチームの状況が見えにくい」、「チームのコミュニケーションがうまくできているのか不安……」、「チーム改善のための適切な施策がわからない」といった声もますます増えています。
そこで、これまで弊社が培ってきた技術や知見をベースに、日米で10年以上にわたってチームワークの研究に携わってこられた、早稲田大学 商学学術院 商学部の村瀬俊朗准教授にも参画いただき、「We. for Remote Work」の共同開発を進めた次第です。
――チームの“雰囲気”という目に見えないものを可視化するというのが、非常にユニークだと感じます。
リモートワークやハイブリッドワークを行ってみて、多くの方が感じていることだと思うのですが、チームの雰囲気というのは、まさに対面することで感覚的に理解するものなんですね。つまり場所や時間を共有することで、お互いの行動や仕草、他のメンバー同士の会話などを無意識に見たり聞いたりしていたわけです。しかしリモートワークが主体となったことで、雰囲気を感覚的に理解する術がなくなってしまいました。そうした課題感も「We. for Remote Work」の開発に至った大きな理由のひとつです。
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