第4回 HRテクノロジー大賞『注目スタートアップ賞』
株式会社KAKEAI
脳科学×テクノロジーで、現場・日常のピープルマネジメントの実態を改善する『KAKEAI』
マネジメントというものが属人的なものに陥っていた理由として、誰が(上司)、誰の(部下)、どのような状況において、どのように関わり、それを部下がどのように感じたか、という項目の曖昧性が挙げられる。これらの要素を、脳科学や独自のUX・UIを用いてデータ化し、目的に資する状態にまでプロダクトとして成立させている。また、マネジメントナレッジのプラットフォームとして、個人に眠っている知見が広く展開される状態を創出した点が評価されました。ゲスト
本田英貴 氏
株式会社KAKEAI
2002年、筑波大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系サービスの商品企画、新規事業開発、JVにおける経営企画室長等を経て、リクルートホールディングス人事統括室マネージャーを経験。2015年リクルート退職後、スタートアップ数社での役員を経て2018年4月に株式会社KAKEAIを起業。
代表取締役社長 兼 CEO
脳科学を元にマネージャーと部下の最適な“関わり方”をガイドする
――「KAKEAI」はマネージャーと部下の関わり方を改善するクラウドシステムということですが、その内容について簡単に教えてください。本田英貴氏(以下、本田) 「KAKEAI」は、脳科学×テクノロジーで、現場のピープルマネジメントの実態を改善するシステムです。マネージャーやメンバーの皆さんにとっての利用シーンとしては主に1 on 1や面談です。マネジメントが、勘や思い込みや自身の過去の経験に依存したものになりがちな点を改善する機能が備わっています。
最初にマネージャーとその部下であるチームメンバーに、システム上で10分ほど簡単な質問に回答していただきます。各人の仕事のパフォーマンス発揮に関わる特性を明らかにするためのセルフアセスメントです。例えばある人は“やらなければならない”という状況で力を発揮しやすいのに対し、別の人は“やりたい”と思える状況で力を発揮しやすいなど、個々の違いが一目瞭然となります。例えば「メンバーAさんはこういうタイプだから、こういう状態をつくってあげておけばよいはずだ」といったマネージャーの勘や思い込みによって日常の関わり方がズレることを是正します。
またチームメンバーの“気づき”を拾い上げる仕組みがあり、仮に「Aさんは計画通りに業務を進められなくて困っているみたいだ」と誰かが感じれば、該当するボタンをクリックすることで、その情報がマネージャーや人事に届きます。例えば「メンバーAさんがあの様子なら、機嫌良く仕事をしているということだ」といったマネージャーの認識間違いによって、手遅れを招くことを予防します。
さらに、現場のマネージャーには、Aさんの特性 × マネージャーである自身の特性 × 現在の状況から「このような対応が有効です・有効ではありません」とシステムがガイドしてくれます。
これらを参考にしながら1on1や面談などが実施され、そこで残されたマネージャーの部下に対する関わり方が組織のナレッジとなり、他のマネージャーへ展開され続けます。例えば「部下がこういう状況で困っていたら、こうやって対応すべきだ」といったマネージャー自身の過去の経験に依存したメンバーへの関わり方を変えるわけです。
マネージャーとメンバーのやり取りによって、「KAKAEI」にはこれまでブラックボックスの中にあった情報が蓄積されます。それを元に、人事や経営の皆さんは、例えば「どのマネージャーや、どのメンバーが、何に困っているのか」「マネージャーXさんの得意なこと不得意なことは何なのか」といった情報を掴んでいただくことができます。
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