事業戦略の変革を具現化する「人材力を創る」ための人事戦略の変革に迫られた企業を支援する機会が増えている。この種の人事戦略の変革においては「未来を仮想し、その未来に立った視点」から現在成すべきことを捉える視点が求められる。7つのステップに沿って人事戦略の変革と実践のアプローチを紹介する。
「未来の人材力を創る」人事戦略

「事業戦略を具現化する人材力」をいかに創るか

「海外事業の拡大」、「業態の変革」、「事業ポートフォリオの再構築」、「ITを駆使した事業への転換と成長」等を目的とした事業戦略の実現に向けて「人事戦略の変革」に迫られた企業に対する支援の機会が増えている。

「新たな事業戦略を打ち出し、成果を出そうにも、それを遂行する人材力が伴わなければ絵に描いた餅で終わってしまう。」このような危機感を持った経営者が「人事戦略の変革」を切望しているケースが多い。ここで要となる課題は「事業戦略を具現化する人材力をいかにして創るか」にある。

人事戦略に影響を与える2つの大きな潮流

この種の人事戦略に取り組む際に必ず抑えておくべき潮流が2つある。1つ目は雇用環境の変化である。日本企業は圧倒的な人材不足の局面に瀕しており、厚生労働省が発表した2018年6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.62倍と高水準である。今後は景況感の変化による有効求人数の増減はあるものの、労働力人口の減少を背景に人材の不足感はさらに増し、人材の獲得競争はより一層激しくなることが見込まれる。

2つ目はテクノロジーの進化である。現在人が行っている作業の多くはAIが対応できるようになり、経済合理性を満たしたものから順次置換されていく流れが加速するであろう。このような中で未来に向けて求められる人材は、仕事を「実行する人」から「創る人」に大きくシフトしていくことになり、創造性を発揮できる人材の需要はさらに増すことになるのは間違いない。

「人事戦略の変革と実践」の進め方

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