パーソルキャリア株式会社は2022年11月30日、副業者を対象とした「リスキリング」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年9月9日~13日で、同社が運営する人材支援サービスを活用する全国の副業人材計400名より回答を得た。回答者の内訳は、投資などの収入を除く副業年収が「300万円未満」・「300~500万円」・「500~800万円」・「800万円以上」の方、それぞれ100名ずつとなる。調査結果からは、実際に副業を行っている人がリスキリングにどのように取り組んでいるのかが明らかとなった。
副業で300万円以上稼ぐ会社員の6割弱が「リスキリング」を実施。高所得者ほど“仕事の幅”を拡げたい意欲が強まる

副業者の5割は「リスキリング」に取り組む。副業年収により実施率に差か

昨今、デジタル化や新しい働き方が進展する中で「「リスキリング」の重要性が高まっている。企業で働く会社員の中にも、新たに必要とされるスキル獲得のため、リスキリングに取り組む人は増えているようだ。
今回の調査では、まずパーソルキャリアが副業者に対し、「リスキリングに取り組んでいるか」を尋ねた。すると、「取り組んでいる」は56%で、半数を超えた。
副業者のリスキリング実施割合
さらに、リスキリングを実施していると回答した人の割合を「副業年収別」に比較した。その結果は、「副業年収300万円未満」では、「取り組んでいる」が48%だったのに対し、「副業年収300万円以上」では58.7%だった。副業年収が高い人の方が、リスキリングを実施しているという傾向がうかがえた。
リスキリング実施割合(副業年収別)

副業年収によって「リスキリング領域」に差がある実態が明らかに

続いて、同社は「リスキリングしている領域」について尋ね、副業年収別に上位3つを並べた。トップとなった項目は、副業年収が「300万円未満」では「マーケティング/PR」(25%)、「300万円以上500万円未満」では「商品/サービス企画」(36.5%)、「500万円以上800万円未満」では「新規事業開発/事業企画」「商品/サービス企画」(ともに23.7%)、「800万円以上」では「経営企画」(33.3%)という結果になった。副業年収額によって、重視していることは異なるようだ。
リスキリングしている領域(副業年収別TOP3)

リスキリングのきっかけは、副業年収が上がるほど「仕事の幅を広げる」にシフト

最後に、同社が「リスキリングに取り組むきっかけ」について質問し、同じく副業年収別に結果を比較した。すると、全ての属性で「仕事の幅を広げるため」と「収入を上げるため」が上位となっていた。

その割合をみると、副業年収が「300万円未満」では「収入を上げるため」(46.2%)が「仕事の幅を広げるため」(34.6%)より多かったものの、「800万円以上」では「仕事の幅を広げるため」(45.7%)が「年収を上げるため」(23.9%)を上回り、大きな差をつけていた。副業年収が上がるほど、リスキリングのきっかけは「収入を上げる」から「仕事の幅を広げる」にシフトしていく傾向にあるようだ。
リスキリングを始めるきっかけ(副業年収別)
本調査から、副業者の半数以上が副業に取り組んでおり、副業年収が高い人ほど様々な仕事に活かしたいという意欲を持っていることがわかった。昨今、副業やリスキリングなどの新しい価値観に魅力を感じて働きたいと考えている人は増えてきていると考えられる。企業側も、従業員の志向やスキルアップへの考えなどを把握し、自社の事業発展を見据えた人材の活かし方や育成方針を考えていく必要がありそうだ。

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