株式会社Hajimariは2022年9月28日、マネジメント層に対して実施した「管理職のマネジメントの課題」に関する調査結果を発表した。調査期間は2022年4月13日~14日で、5人以上の部下がいるマネジメント層(役員、部長、課長、係長・課長補佐相当)101名から回答を得た。これにより、マネジメントに関する課題や学習経験の有無などが明らかとなった。
管理職の3人に1人は「マネジメントに関する学習機会なし」。人材育成やコンプライアンス、ガバナンスなどの学びを求める声も

8割以上の管理職は「マネジメントが難しくなっている」と実感

企業においてマネジメントに関わっている管理職は、どのようなことに困難や課題を感じているのだろうか。まず、Hajimariが「現在、マネジメントは難しくなっていると思いますか」と質問した。すると、「非常にそう思う」が43.5%、「ややそう思う」が39.6%で、「そう思う」との合計は83.1%になり、大半が「難しくなっている」と感じていることがわかった。
マネジメントは難しくなっていると思うか

マネジメント難化の理由は「遠隔・リモートによるもの」が最多

続いて、同社が「マネジメントが難しくなっている」とした回答者に対し、「そう思う理由」を聞いた。その結果、「リモートワークでの遠隔のマネジメントの必要があるから」が47.6%、「人事評価のあり方が変わっているから」が44%、「フレックスタイム制で部下の業務時間に合わせる必要があるから」が36.9%などとなった。

自由回答からは、「多様な働き方がある故、意思統一させて働くことが難しい」や「対面でのコミュニケーションが取りにくい」といった声があがった。
マネジメントが難しいと思う理由

マネジメントの課題は「メンバー育成」や「キャリア開発」など

次に、同社が「あなたが今感じている、マネジメントの課題を教えてください」と複数回答で尋ねると、「メンバー育成」が49.5%で最多だった。以下、「キャリア開発」が44.6%、「エンゲージメントの向上」が32.7%、「評価の付け方」が29.7%で続いた。

自由回答には、「具体的な指示や教育を、遠隔で行うことが難しい」や「評価が“優”や“良”ではなく、“可”の評価となってしまったことで、褒めにくくなった」といった声が寄せられ、課題は多岐に渡っていることが判明した。
マネジメントの課題

「マネジメントを体系的・網羅的に学んだ」と答えたのは4割程度

続いて、「認識しているマネジメントの課題は『人事』の領域とも重なると思うか」と同社が質問した。すると、「ほとんどが重なると思う」が27.6%、「一部重なると思う」が66%で、合計93.6%となった。
マネジメントの課題は人事の領域とも重なると思うか
一方で、「マネジメントについて体系的(・網羅的)に学んだことはあるか」と質問したところ、「何度もある」が45.5%、「1度だけある」が20.8%、「全くない」が33.7%だった。おおよそ3人に1人は、マネジメントについての学習機会が全くない実態が明らかとなった。
マネジメントについて体系的に学んだことはあるか

マネジメントにおいて「人事の知識・ノウハウ」が必要だと感じるのは8割超

最後に、同社が「ガバナンスやコンプライアンス意識の高まりから、マネジメントにおいて、労務知識など人事の知識・ノウハウは必要だと思いますか」と質問した。その結果、「非常にそう思う」(42.6%)と「ややそう思う」(40.6%)の合計は83.2%となっていた。

さらに、「労務知識以外に人事の知識・ノウハウで必要だと思うこと」を自由回答で尋ねた。すると、「ハラスメントやメンタルヘルスの知識」や「他社の人事の知識やノウハウ」といった声があがった。
マネジメントにおいて人事の知識・ノウハウは必要だと思うか
多様な働き方の広がりによって“マネジメントの難しさ”を感じる人は増えていることがわかった。マネジメント層が抱える課題を解決するためにも、学習機会の提供や「人事」からの支援が必要となりそうだ。

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