新型コロナウイルスの感染拡大の中、「主催者側による中止を望む」学生が半数以上
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、合同企業説明会や企業個別のセミナーの中止が頻発するなど、今年の就職活動生は思うように就職活動ができない環境下に置かれてしまっていますが、この状況について、就職活動中の学生はどのように捉えているのでしょうか。「セミナー中止か予定通りの実施か」に対する考え方としては、文系・理系ともに「感染リスクを考えれば中止すべきだ」が最も多く、文系で51%、理系で58%と5割以上となっています[図表11]。
2月に開催された就職イベントでは、出展企業や参加学生に対してマスク着用の呼びかけもなく、参加した学生からは自分だけマスクを着用することがはばかられ、着用することなく最後まで参加したという声もありました。個別企業の会社説明会にしても同様です。このような非常事態発生時の企業による対応も、その企業への学生の志望度や信頼を左右する重要なキッカケになるのではないでしょうか。
少なくとも1社以上のWEB説明会を視聴した学生は8割以上
新型コロナウイルス対策として、企業説明会やセミナーをWEB方式に切り替える企業が続出しましたが、3月時点において学生は、そのようなWEB説明会をどれだけ視聴したのでしょうか。「現時点でのWEB説明会を視聴した企業数」については、文系・理系ともに「4~5社」がトップで24%となりました[図表12]。少なくとも「1社以上」とする割合は文系で86%、理系で83%となっており、8割以上の学生がWEB説明会を視聴した経験を持っていることが分かります。『マイナビ』『リクナビ』等が主催する大型の合同企業説明会に出展予定だった大手企業が、急きょWEB説明会に切り替えた影響も大きいと思われます。
逆に、企業側の戸惑いのほうが大きかったかもしれません。もともとWEB説明会を導入していた企業の割合はまだまだ少数派でしたし、話す内容はリアルな説明会とほとんど同じでも、目の前の学生の反応を見ながら話をするのと、何の反応も示さないWEBカメラを相手に話をするのでは、まるで勝手が違います。人事担当者にはまた一つ新たな課題ができたようです。