さらに前倒しが進む面接開始時期
次に、選考面接の開始時期を見ていきます。全体では、「2025年3月」が16%で最も多いですが、これに次ぐのが「2024年6月以前」と「2024年12月」「2025年1月」(いずれも12%)です[図表10]。前回調査において、「2023年6月以前」は全体で8%でしたので、4ポイント増となっています。「2024年12月」までに開始する割合が38%(前回調査の同時期29%)、「2025年2月」までに開始する割合が59%(同45%)となるなど、セミナー開催時期の前倒しに合わせて、面接の開始時期も早まる傾向にあることがうかがえます。![[図表10]選考面接の開始時期](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4233_16_I4K2X1.png)
一方、中小企業では、「2024年12月」までに開始する割合は29%(同16%)、「2025年2月」までに開始する割合は43%(同28%)と、他の規模ほどの割合にはなっていないものの、前年との比較という点では確実に前倒しが進んでいるようです。
面接の実施形式について確認すると、全体では、「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」が43%で最も多く、「対面形式のみで実施」(28%)と合わせた“対面派”が71%と7割を超えています[図表11]。一方、コロナ禍で主流となった「オンライン形式のみで実施」はわずか6%にとどまります。オンライン面接の欠点とされた非言語情報を得られるとともに、応募者との関係性構築の面でも優位だといわれる対面形式への回帰がさらに進んでいることがうかがえます。
![[図表11]面接の実施形式](https://img.hrpro.co.jp/images/tokushu/hr_tokushu_photo_4233_17_X11W4F.png)
人事担当者が面接で重視していることとは
ところで、面接で人事担当者は応募者のどのような点を重視し、どういったことに気をつけているのでしょうか。回答者から寄せられたフリーコメントの中から一部を抜粋して紹介します。【面接での重視点】
・社会人になる覚悟(300名以下、サービス)
・自分の言葉で語れること(300名以下、金融)
・傾聴の姿勢(300名以下、サービス)
・初期配属予定職種の通知、ストレス耐性の確認(301~1000名、メーカー)
・人間性と自社の求める人物像とマッチしているか(301~1000名、サービス)
・個人の実現したい目標、仕事に対する熱量を測る質問をする(301~1000名、メーカー)
・飲食業なので、リアル面接は必須。第一印象(300名以下、サービス)
・本人に自身の強みと弱みについて詳細に説明してもらう(301~1000名、情報・通信)
・自社のパーパスへの共感(300名以下、メーカー)
・入社後の活躍が期待できる人材かどうかの見極め(300名以下、メーカー)
・地頭の良さ(1001名以上、メーカー)
・人柄(1001名以上、メーカー)
【面接で気をつけている取り組み】
・候補者が自分らしさを発揮できる場を提供することを重視しています。面接では、候補者が自身の強みやスキルを最大限に表現できるような質問や課題を設定しています(300名以下、メーカー)
・学生の予定に合わせて柔軟に日程を調整していく(300名以下、情報・通信)
・できるだけ対面で会い、お互いミスマッチを未然に防ぐよう取り組んでいる(1001名以上、メーカー)
・選考途中、内定後の継続したフォロー(1001名以上、情報・通信)
・雑談中心で硬めの質問はしない。学生があらかじめ用意している回答以外を引き出せるよう工夫する(301~1000名、運輸・不動産)
・合否通知を3日以内に行う。不採用通知にフィードバック内容を記載する(300名以下、メーカー)
・面接官への事前レクチャーを丁寧に行う(301~1000名、商社・流通)
・時間をかけた面接(面談)(300名以下、情報・通信)
・各面接後のフィードバック(301~1000名、メーカー)
・インターンシップでの現場からの意見のヒアリング(1001名以上、情報・通信)