2社以上に内定承諾した学生が3割

内定を取得した学生を対象に、内定先への内定承諾の連絡状況を調査した結果を[図表12]に示します。文系・理系ともに最も多いのは、「内定した1社だけに内定承諾した」で、それぞれ53%、57%と過半数になっています。最終的に入社できるのは1社であるため、通常は複数の企業に内定承諾することは望ましいことではありませんが、「内定したすべての企業に内定承諾した」と「内定した一部(2社以上)の企業に内定承諾した」を合わせた割合は、文系で27%、理系で28%と、3割近くにも達しています。内定先からは、内定時期によって内定承諾の期限を設定されることが多いため、本命企業の選考が進まないまま、内定先企業からの内定承諾期限に追われるケースも出てくるでしょう。そのような場合には、いったん内定承諾してしまうことも少なくないでしょうし、選考・内定時期がほぼ同じでも、6月時点ではまだ入社先企業を確定できない学生も一定数いることが予想されます。
[図表12] 内定承諾の状況
もう一つ、内定取得者に内定承諾時の意識についても確認してみました。「内定承諾した企業に入社することを、強く希望している」が文系・理系ともに圧倒的に多く、それぞれ61%、74%と6~7割以上に達しています[図表13]。ただし、「内定承諾した企業に入社するつもりだが、まだ他の企業も考えたい」とする学生が文系で31%、理系で20%と2~3割もいるとともに、さらには「入社する企業を絞り込めておらず、とりあえず承諾しておく」がいずれも7%も存在します。

企業の観点からすると、学生から内定承諾があったとしても、まだ安心しきれない状況であることが浮き彫りとなっています。
[図表13] 内定承諾時の意識
最後に、内定取得者の就職活動の終了意向についての調査結果を紹介します。最も多かったのは、文系・理系ともに「第1志望の企業に内定したので終了する」で、それぞれ54%、63%と5~6割以上の学生が選択しています[図表14]。「第1志望の企業ではなかったが内定したので終了する」との回答も、文系で13%、理系で14%存在し、これらを合計した「就活を終了する学生」は、文系67%、理系では77%と8割近くに達しています。一方、「第1志望の企業に内定したがまだ他も見たいので継続する」と「第1志望の企業に内定していないので継続する」を合計した「就活を継続する学生」もそれぞれ32%、21%という結果となっており、ここからも内定承諾が絶対的な就活終了の意味を持たないことが分かります。
[図表14] 就職活動の終了意向

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