9月までに採用活動を終了予定は、大企業でも7割以下
ここからは「内定(内々定)」について見ていきます。まずは、内定を出し始めた時期(予定含む)の対前年比較です[図表11]。企業規模に関係なく、8~9割の企業が「ほとんど変わらない」と回答するも、「遅くなる」との回答は全体でわずか1%にしか過ぎず、残り14%は「早まる」(「1カ月超早まる」から「1週間以内早まる」の合計、以下同じ)と回答しています。
企業規模別に見ると、「早まる」企業が最も多いのは中堅企業で21%と2割を超え、中小企業(9%)の2倍以上となっています。「遅くなる」と回答した企業は中小企業の1%のみでした。
「早まる」理由として多く挙げられたのは、「同業他社の動向を踏まえて」や「早期選考を行っており、選考期間が間延びしないようにするため」などですが、中には「希望者の安心感」を挙げる企業もあります。
次に、具体的に内定を出し始めた時期(予定含む)を企業規模別に比べてみましょう[図表12]。
セミナーの開催時期や面接開始時期で先行していた大企業が、内定を出し始める時期でも他の企業規模の企業を大きく引き離していることが分かります。
内定を出し始めた時期についても、「ダイレクトソーシング実施の有無」別に比較してみたところ、ダイレクトソーシングを「実施している」企業群での最多は「22年4月」31%、次いで「22年3月」が29%で、この2カ月で6割を占める大きな山を形成しています。「22年3月」までに内定を出し始めた企業の割合は、前述の大企業と全く同じ50%に達します[図表13]。
最後に、採用活動の終了予定時期について、企業規模別に見てみましょう[図表14]。
中堅企業では、最多は「23年1月以降」の17%、次いで「22年6月」「22年7月」「22年9月」「22年12月」がいずれも13%で続くなど、大きな山がないまま推移していく見込みです。「22年9月」までに採用活動を終了する予定の企業は54%で、大企業より14ポイントも少なくなっています。
最後に、中小企業では、「23年1月以降」とする企業が最多で37%と4割近くにも及ぶ一方、「22年6月」までに終了予定とする企業も20%あるなど、二極化の様相を呈しています。「22年9月」までに採用活動を終了する予定の企業は45%と半数に満たず、「22年10月」以降が55%となるなど、「22年9~10月」を境に、見事に二分されるのも中小企業の特徴といえそうです。
次回は、2023年卒の採用活動および就職活動をテーマに、採用担当者、就活生の双方から寄せられた「採用川柳・短歌/就活川柳・短歌」を紹介します。お楽しみにしてください。