大企業よりも早期化が進行する中堅企業

次に、セミナー・会社説明会(以下、セミナー)の開催時期(複数回答)について見ましょう。[図表8]は、開催月別の推移を折れ線グラフでまとめたものです。全体では、セミナーの開催ピークは「2025年3月」(37%)、次いで「2024年10月」と「2025年2月」(いずれも32%)が続きます。ただ、「2024年6月以前」で早くも29%と3割近くになっているのをはじめ、「2025年6月」まで20~30%台が続く形となっており、就活ルール上の採用広報解禁(会社説明会解禁)である「2025年3月」は、もはやかつてのような突出したピークを形成することがなくなっています。
[図表8]セミナー・会社説明会の開催時期(複数回答)
規模別では、「2024年6月以前」から「2025年7月以降」まですべての月において中堅企業の開催率がトップとなっており、「2025年2月」「2025年3月」はともに50%に達しています。注目すべきは、「2024年6月以前」で既に42%と4割を超え、大企業よりも10ポイント以上高く、中小企業と比べると20ポイントもの差がついていることです。「2024年6月以前」はすべての規模で前回調査の同時期よりも高くなっていますが、大企業で10ポイント増、中小企業ではわずか3ポイント増にとどまっているのに対して、中堅企業では23ポイントと大幅に増加しています。「2024年7月」「2024年8月」も前回調査の同時期より10ポイント以上増えるなど、中堅企業の採用活動が大きく早期化していることがうかがえます。これまでのように、採用活動においては大企業が先行し、中堅企業、中小企業の順でそれを追いかけるという構図ではなくなってきているようです。

セミナーの開催形式を見ると、全体では「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」が34%で最も多く、次いで「オンライン形式を主軸に対面形式でも一部実施」(30%)となっています[図表9]。「対面形式のみで実施」(18%)と「対面形式を主軸にオンライン形式でも一部実施」を合わせた“対面派”は52%と半数を超え、「オンライン形式を主軸に対面形式でも一部実施」と「オンライン形式のみで実施」(14%)を合わせた“オンライン派”よりも8ポイント多くなっており、オンラインから対面回帰の動きは続いているようです。
[図表9]セミナー・会社説明会の開催形式
規模別では、大企業は“対面派”と“オンライン派”がともに50%で同数となっているものの、中堅企業・中小企業ではともに“対面派”が“オンライン派”を上回っています。また、大企業では「オンライン形式のみで実施」は8%と1割を下回り、中堅企業・中小企業の半分程度にとどまります。

注目すべきは、中小企業における「対面形式のみで実施」の割合です。他の規模が6~8%と1割に満たないのに対して、中小企業だけが31%と3割を超え、最も多い開催形式となっています。1回当たりの参加人数が多くないことも対面形式だけでセミナーを開催できる理由の一つなのでしょう。

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