ダイバーシティ推進が見えない企業が多い

「ダイバーシティを推進している」について、「イメージを強く持っている」と回答した割合は文系で36%となる一方、理系では28%と3割に満たない結果となりました[図表9]。学生が「ダイバーシティ」と聞いて最初に思い浮かぶのは「性別」だと思われますが、食品や医薬品、化学などの一部業種を除けば、メーカー・建設系の企業の理系は専攻的にまだまだ女子学生が少なく、どうしても男性の採用数が多くなりがちで、他業種と比較した場合、結果的に正社員や管理職に占める女性比率は低くならざるを得ません。もちろんそれらの業種の企業においても、これまでと比較すればダイバーシティが進んでいる企業が増えていると思われますが、数字の比較だけでは「ダイバーシティは推進されていない」と映るのかもしれません。「イメージを強く持っている」「イメージをやや持っている」の合計でも、文系は71%と7割を超えるものの、理系は約6割にとどまります。また、「どちらともいえない」が文系23%、理系32%で、ともに10項目の中で最も高い割合となっています。企業はダイバーシティへの取り組みについて、もっと学生にアピールしてよいかもしれません。
[図表9]入社予定の会社に対して持っているイメージ:ダイバーシティを推進している
「働きやすい」について、「イメージを強く持っている」と回答したのは文系で48%、理系では41%と、こちらも文系のほうが高くなっています[図表10]。「イメージをやや持っている」の割合は、文系41%、理系42%とほぼ同程度です。ただ、理系では「どちらともいえない」が16%と、文系の7%より顕著に高く、「イメージは全くない」と「イメージはあまりない」の合計はわずか1%しかありません。
[図表10]働きやすい
「仕事が面白い」について聞いたところ、「イメージを強く持っている」割合は、文系で50%と半数に達したものの、理系では42%で、「イメージをやや持っている」(45%)のほうが多くなっています[図表11]。「イメージを強く持っている」と「イメージをやや持っている」の合計では、文系は92%と[図表6]で見た「社員を大切にしている」と同じ割合となりましたが、理系は87%で9割に届いていません。理系のほうが大学での専攻に即した企業・職種選択をする傾向にあり、入社後の仕事内容をある程度認識できているはずですが、入社後にどんな配属(仕事・職種・部署)になるか、より見通しづらい文系のほうが、仕事が面白い“イメージを持っている”割合が高いのは興味深い結果だと思います。
[図表11]入社予定の会社に対して持っているイメージ:仕事が面白い

経営者・経営理念が魅力的だと感じている学生は4割以下

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