4割以上の学生が既に内々定を承諾

最後に、12月上旬時点での内々定の動向についてまとめて紹介します。まずは「12月上旬時点での内々定の有無」からです。

面接社数では、理系よりも文系のほうが進んでいましたが、内々定が既に「ある」と回答した割合は、文系の10%に対して理系は16%と、理系のほうが6ポイント高くなっています[図表11]。近年の理系学生のニーズがより高まっている背景を受け、理系の内々定出しが文系よりやや先行していることがうかがえます。
[図表11]12月上旬時点での内々定の有無
内々定を既に持っている学生に対して、「内々定企業のインターンシップ参加の有無」を確認したところ、「参加した」(「すべての企業で参加した」と「参加した企業もある」の合計)と回答した割合は、文系では79%と約8割、理系に至っては100%という結果になりました[図表12]。早期選考のきっかけが圧倒的にインターンシップであることが明確に表れています。
[図表12]内々定企業のインターンシップ参加の有無
かつて、インターンシップの開催時期のピークは採用広報・会社説明会解禁直前の2月でしたが、近年のピークは2月よりももっと早くなっています。もはやプレエントリー先候補企業になるためのインターンシップではなく、早期選考につなげるためのインターンシップへと、実施する企業にとってその役割が大きく変わってきています。

内々定を既に持っている学生を対象に、「内々定承諾企業の有無」を聞いたところ、「ある」と回答した学生が文系で42%、理系では47%と5割近くにも上りました[図表13]
[図表13]内々定承諾企業の有無
もちろん、第一志望の外資系コンサル等から内々定を得て、納得して承諾した学生もいるのでしょうが、中には「押さえ」として承諾してしまっている学生もいると思われます。ただ、最初に内々定が出た企業に就職先を決めてしまう学生の割合が年々増えているともいわれており、それも採用活動の早期化に拍車がかかっている理由の一つではないでしょうか。

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