キーエンスは「自己分析合宿」
6位の三菱UFJ銀行(就職人気企業ランキング78位)のインターンシップは、本格的な印象を受けます。専門性が高く、涙するほど感動する内容とはただごとではありません。また、自行や銀行業界だけでなく、他業界への批評も話してもらえるようです。・まず社員1人にリクルーターになっていただき、1対1で社員と話すことができ、そこを中心にして自分が興味のある部署、職種で働く現場社員の人に会わせていただけるというもの(文系・上位私立大)
・非常に専門性の高いプログラムを行っていたから(文系・中堅私立大)
・感動して涙が出た。素晴らしい仕事だと思った(文系・その他私立大)
7位の東京海上日動火災保険(同49位)のインターンシップでも、社員の人間力を評価する学生が多くなっています。
・社員の方がとても丁寧に接してくださったから(文系・旧帝大クラス)
・人が良かった。特にメンターが支えてくれた(文系・早慶大クラス)
・一人ひとりを理解しようとしてくださる社員の方々の姿勢が好印象、かつこのような方々と一緒に働きたいと思えるきっかけとなったため(文系・上位私立大)
合宿形式でインターンシップを行ったのは、同じく7位のキーエンス(同64位)。内容は自己分析が中心のようで、下記のコメントを読むと、宣伝は一切ないようです。設計業務を体験させたり、掘り下げて自己分析をさせたりとハードに見えますが、学生は喜んでおり、「利益度外視」の姿勢を評価しており、理系からの支持が多くなっています。
・企業宣伝より学生のことを考えたプログラムだった。就職活動で大切にすべきことなどについてのプログラム(文系・早慶大クラス)
・自己分析を非常に深くできた(理系・旧帝大クラス)
・利益度外視でお金をインターンシップにかけていたから(理系・旧帝大クラス)
・キーエンスが大事にしているコミュニケーションについて訓練できた(文系・その他私立大)
9位は明治安田生命保険(同120位)とソニー(同21位)。明治安田生命保険のインターンシップは、にぎやかな様子が分かります。グループ発表の優勝チームにはゴディバの菓子が贈られたそうですが、これで盛り上がるのであれば安いものと言えそうです。
・グループ発表の優勝チームにはゴディバが贈られたこと(文系・早慶大クラス)
・社員や内定者とお話しをする機会が非常に豊富であり、インターン後のサポートも手厚かったから(文系・上位私立大)
・短い時間でも自分たちで考える時間やワークがあり、積極的になれるプログラムだったのが好印象(文系・その他国公立大)
続いてソニーです。現在でも理系学生にとって「ソニー」は憧れなのでしょう。なにしろ印象が良かった理由が「職場に入れた」ことを挙げている学生もいます。ほかの企業ではこんな理由は出てきません。
・職場に入れたから(理系・旧帝大クラス)
・担当部署に配属され、OJT形式で取り組んでいく。最終日に成果報告をする。途中でさまざまな職種の社員との懇談会も用意されていて、多方向から意見を聞くことができた(理系・上位国公立大)
・職場での体験、多くの社員の方と話せたから(理系・上位国公立大)
・社員との交流の機会が多かった。オーディオ機器を成長させるためのマーケティング戦略の立案(文系・早慶大クラス)
今回紹介したトップ10では、ゲーム形式のインターンシップに好感を抱く学生が多かったようですが、職場配属型のインターンシップを経験して企業や業務への理解が深まったという学生も目立ちました。これが本来のインターンシップと言うべきですが、職場の協力を得ることなく、受け入れ人数を増やすことを実現するためには、ゲーム形式のインターンシップも有効なプログラムだと思います。