採用直結型の「1週間程度」が急増した中堅企業

開催ピークとなった2024年8~9月に実施したインターンシップの日数タイプ(複数回答)を確認したところ、全体で最も多かったのは「1日程度」(44%)、次いで「1週間程度」(38%)、「2~3日程度」(23%)と続き、かつて手軽さからもてはやされた「半日程度」は17%にとどまりました[図表6]
[図表6]8~9月に対面形式で実施したインターンシップの日数タイプ(複数回答)
規模別に見ると、大企業と中小企業は似たような傾向を示すものの、中堅企業では「2~3日程度」がわずか6%と少なく、大企業・中小企業(いずれも33%)とは大きく異なります。前回調査では、中堅企業は「1週間程度」が10%しかなかったところ、今回調査では33%に大きく増えており、これまで「2~3日程度」で実施していた企業が、一定の条件を満たせばインターンシップ参加者の情報を採用活動に直結できるように定義変更されたこともあって、「1週間程度」にボリュームアップしたことが推測されます。

一方、大企業においては、「1週間程度」は前回調査とそれほどの差異はありませんが、「1日程度」が前回調査の38%から50%へと大きく増えています。採用数が拡大する中で、できるだけ多くの学生との接点を持てるよう、オープン・カンパニーを利用する企業が増えていると推測されます。近年では、趣旨・内容の異なるインターンシップを組み合わせて実施するケースが増えています。オープン・カンパニーは1日だけで終わるのではなく、あくまでも幅広い層にリーチするための広報活動であり、その上で職種等を絞り込んだ中身の濃いインターンシップを実施するということなのでしょう。

2024年8~9月に実施されたインターンシップの開催目的(複数回答)についても確認します。全体では、「自社の業務内容や魅力の伝達」が61%で最も多く、次いで「自社の企業文化や価値観の伝達」(44%)、「自社の認知度向上」(37%)、「学生の応募意欲の向上」(36%)と続きます[図表7]。「新卒採用候補者の発掘・囲い込み」や「実際の業務体験」を目的とする企業は3割を下回っています。
[図表7]8~9月に実施したインターンシップの開催目的(複数回答)
規模別に見ると、大企業では上位3項目は全体と同様ですが、「自社の企業文化や価値観の伝達」は57%と全体よりも13ポイントも高くなっています。その半面、「学生の応募意欲の向上」は19%にとどまり、「新卒採用候補者の発掘・囲い込み」(24%)を下回る結果となっています。

中堅企業では、「自社の認知度向上」と「学生の応募意欲の向上」がともに58%と6割近くに達し、「自社の企業文化や価値観の伝達」(50%)を上回っています。また、「新卒採用候補者の発掘・囲い込み」と「学生との相互理解」がいずれも35%と3割を超えています。

中小企業では、「自社の業務内容や魅力の伝達」が54%と半数を超えたものの、その他の項目はすべて3割以下となるなど、目的の分散化傾向が見られます。

大企業よりも早期化が進行する中堅企業

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