さらに競争が激化しそうな2025年卒採用
ここからはいよいよ2025年卒採用の動向を見ていきましょう。まずは、2024年卒採用と比較した採用計画数の増減です。全体では、「前年並み」が51%と半数を占める中、「増やす」の16%に対して、「減らす」はわずか3%にとどまり、「増やす」企業のほうが多くなっています[図表7]。従業員規模別に見てみると、いずれの企業規模でも「前年並み」が最も多く、大企業と中堅企業ではそれぞれ64%、60%と6割を超えます。一方、中小企業では「前年並み」は39%にとどまり、「未定」21%、「採用なし」29%となっています。「増やす」の割合は、中小企業では8%にとどまるものの、大企業と中堅企業ではどちらも23%と4分の1近くを占めます。一方、「減らす」は大企業ではゼロ、中堅企業で5%、中小企業でも3%と少数派となっています。
このように、依然として、企業の採用意欲は高止まりしていることが分かります。2024卒採用と同様、いえそれ以上に厳しい採用戦線になることが推測されます。
中堅企業では、大企業と同じく「事業変革に伴う人材要件の変更」が44%で最も多いほか、同率で「入社後のミスマッチ防止対策」が並びました。一方、中小企業では、「事業変革に伴う人材要件の変更」(34%)に代わり、「入社後のミスマッチ防止対策」が41%で最も多くなっています。
大企業では41%だった「DX推進等による理系人材のニーズ増加」は、中堅企業では28%、中小企業ではさらにその半分の14%となるなど、従業員規模が小さくなるほど、まだDX推進に注力できていない様子がうかがえます。あるいは、そういう人材を社内に囲い込むのではなく、外部に委託する前提で考えている企業が多いのかもしれません。