よりプログラムが問われるオンラインインターンシップ

9位には、第一生命保険とSCSK の2社が同率(14ポイント)でランクインしました。第一生命保険へのコメントに共通する特徴はありませんが、「社員」ではなく「リクルーター」という表現が目を引きます。

・リクルーターの方と話せる、自己分析の手伝いをしてくれた(その他私立大・文系)
・雰囲気が良かった(その他私立大・文系)
・職種をまたいだプログラムがあった(上位私立大・理系)

一方のSCSKは、文系も含めてプログラミング体験の評判が良いようです。

・実際にプログラミング体験ができた(上位私立大・理系)
・アプリのようなものを自分たちで作るワークが楽しかった(上位私立大・理系)
・実際に製造・テストまで体験できたのが良かった(上位国公立大・文系)

今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響の中で、会社説明会や選考のオンライン化が一気に進み、オンライン化の波にうまく乗れなかった企業の中には、2021年卒採用が計画よりかなり遅れた企業が多く、例年であれば最もインターンシップが実施される8月の開催数が前年よりも減少しました。代わりに、9月が開催のピークとなるとともに、10月以降もそれほど大きく減少しない見込みです。

インターンシップの形式は、前述したように、対面形式とオンライン形式の両方を組み合わせて開催する企業が多くなっています。来年のこのランキングで、オンライン形式のインターンシップがどう評価されるか、どこが評価ポイントになるのか気になるところです。今回、評価ポイントが「社員」というコメントが多くありましたが、オンライン開催では「社員」による差別化がリアルと比べると難しくなり、よりプログラム内容による差別化が問われることになりそうです。

採用中止のエアライン2社は大きく後退

続いて、採用ホームページの好感度ランキングを見てみましょう[図表2]
第116回 学生が選ぶ最も印象の良かった企業の「インターンシップ」と「採用ホームページ」
かつては、企業の採用ホームページは、就職ナビが新しい採用情報を公開し、プレエントリー受付を開始する採用広報解禁日(現在は3月1日)に合わせて開設することが常でした。しかし、サマーインターンシップの募集が前年の春から始まり、その参加者を対象とした早期選考が堂々と行われている現在では、企業の採用ホームページ開設時期はまったくバラバラです。経団連が就活ルールの主管から撤退したことで、採用広報解禁日を待たずして、インターンシップだけでなく、プレエントリー受付を開始する企業が軒並み増加しています。さらに、今年はコロナ禍によって、採用活動がリアル(対面コミュニケーション)からオンラインに大きくシフトしたことで新卒採用の構図が一変し、採用ホームページの重要性はさらに高まっています。

新型コロナの影響は、産業の構図にも大きく作用し、オンライン型ビジネスの定着により、IT産業は好調である一方、飲食業や人の移動に関わる鉄道・航空・旅行産業は大幅に落ち込み、明暗がはっきり分かれた形となりました。こうした企業の業績の変化は新卒採用数にも波及し、学生の企業選択にも変化が現れています。結果、「最も印象の良かった採用ホームページ」の顔ぶれも変動しました。

これまで、採用ホームページで人気が高かったのはエアライン系で、2019年卒と2020年卒採用では連続して全日本空輸(ANA)が1位、日本航空(JAL)が2位でした。この人気傾向は2010年代になってからずっと続いていましたが、2021年卒採用では、ANAは14位、JALは19位に大きく順位を下げることとなったのです。両社とも採用中止が正式に発表されたのは、本調査後の7月になってからでしたが、いずれも5月の段階で既に採用活動の中断は発表されており、それでもトップ20にランクインしていること自体、健闘しているというしかありません。

アクセンチュアが前年8位からトップに躍進

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