8割の学生が「一律初任給の廃止」に理解
続いて、新卒の新入社員でも特別なスキル・能力を持つ人材には特別の処遇を提示する「一律初任給の廃止」の動きについて、学生の賛否を見てみましょう。文系では「賛成」が78%、「どちらとも言えない」が18%、「反対」が4%であり、理系では「賛成」が81%、「どちらとも言えない」が12%、「反対」が7%となっており、文系・理系ともに8割が賛成派であることが分かります[図表3]。この結果から、自分の適性や強みを生かした就職により、その能力に見合った報酬を求める学生が多い傾向にあることがうかがえます。今後、一律初任給の廃止は新卒ジョブ型採用に連動して導入され、評価基準を明確に示すことで、就活生に対し訴求力のある採用制度として広がることが見込まれます。
【賛成】
・年功序列制よりも、スキル・能力を発揮した人たちに良い処遇を提供すべきだと考えるから(その他私立大・文系)
・能力がある人がそれ相応の対価を受け取ることでより多くの人材が集まってくるだけではなく、会社としても人材流出を防ぐ意味で非常に有効な方法だといえるため(旧帝大クラス・理系)
・モチベーションにつながるから(上位国公立大・文系)
【反対】
・特別処遇を提示してもらっても、先輩社員たちから嫌な目で見られそうだから(その他国公立大・理系)
・同世代で収入に差が開きそうだから(その他国公立大・文系)
・自分が特別なスキルなど持っていないから(上位私立大・文系)
【どちらとも言えない】
・学んできたことを活かせる職に就ける人は良いが、大学に入って新たな道を見つけることもあると思います。両者のことを考えると、どちらとは言えません(その他国公立大・理系)
・制度自体はいいと思うけれど、自分の能力が高いと思えないから何とも言えない(その他私立大・理系)
・処遇を判断する基準がしっかりとしていればどちらでも適切だと思う(上位私立大・理系)