ソニーグループ株式会社は2024年4月19日、理工系分野を学ぶ女子学生向けの支援プログラム「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」を創設したと発表した。同社はこのプログラムを通じて、理工系の多様な人材育成に貢献するとともに、女子学生の理工系分野への関心を高め、進路やキャリア選択におけるアンコンシャス・バイアスや不安を取り除くことを目指したい考えだ。
理工系分野の“女子学生向け”支援プログラム「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」をソニーが創設。高度専門型インターンシップの取り組みに

取り組みの一つとして「年間最大120万円の奨学金給付」、「女性エンジニアとの交流機会の提供」を実施

ソニーグループは、理工系分野を学ぶ女子学生を支援するプログラムとして「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」を創設した。

同社は、「クリエイティビティ」と「テクノロジー」、人と事業の「ダイバーシティ」を価値創造のドライバーと位置付けている。この原動力をさらに強化するためには、テクノロジーを支える多様なエンジニアを確保することが重要であるが、日本国内では教育課程において理工系分野を専攻する女子学生の割合が少なく、ジェンダーダイバーシティの推進が大きな課題の一つであると認識しているという。

そうした課題意識のもと、同社では以前から、次世代理系人材の育成を目的とした女子学生向けのサイエンスプログラム等を提供している。そこで今回、理工系の多様な人材育成への貢献のほか、女子学生の理工系分野への関心を集め、進路やキャリア選択における不安などを取り除くことを目的に、本支援プログラムを実施するとのことだ。

2022(令和4)年6月に、文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)が改正となり、2023(令和5)年度から大学生等のインターンシップの取り扱いが変更となった。大学生等のキャリア形成支援に係る取り組みを4つに類型化するとともに、一定の基準を満たしたインターンシップで企業が得た学生情報が広報活動や採用選考活動に使用できるようになったが、本プログラムは、この4つの分類のうち「高度専門型インターンシップ(試行)」にあたる取り組みである。

同社は、本プログラムにおける取り組みの一つとして、理工系分野を専攻する女子大学生を対象に、以下の取り組みを実施するという。

●意欲的な学びを支援するため、年間最大120万円の奨学金を給付
●奨学生にはソニーグループの女性エンジニアと交流する機会を提供
●奨学生とソニー社員が女子中高生に対して理工系分野の面白さや働く楽しさを伝える「STEAM GIRLSバトンプログラム」を実施


このうち、2024年度の奨学金プログラムの募集要項は以下の通りだ。

●応募資格
応募時点で日本国内の大学の理工系およびそれに準ずる学部・学科の1年次もしくは高等専門学校から進学し3年次に在籍し、以下の条件に当てはまる人を対象とする。

・日本に居住している
・性自認もしくは戸籍上の性別が女性
・大学に入学以降、奨学金または奨学金助成金を受け取ったことがない、もしくは今後受け取る予定がない

●奨学生募集人数(予定)
約10名

●給付金額
返済不要の給付型奨学金として、授業料相当額(最大120万円/年)

●給付期間
在学する大学・大学院修士課程(博士前期課程)の修了日までの期間
奨学生に協力・参加してもらうイベント

(1)奨学金授与式
(2)STEAM GIRLSバトンプログラム
(3)ソニーグループ社員(女性エンジニア等)との交流等

●募集開始時期
2024年5月17日〜7月12日

●選考基準
応募時に記入した書類に基づく選考後、面接を実施し奨学生を決定。選考においては、以下の点を重視する。

(1)本プログラムの趣旨を理解していること
(2)テクノロジーを通じて実現したい夢や好奇心を持っていること
(3)多様性を尊重しながら他者と共同し影響力を発揮できること


なお、募集要項についての詳細は下記(※)で確認できる。



同社は今後、こうした活動に加えて本プログラムにさまざまなプログラムを追加していくことで、テクノロジーへの関心をさらに幅広い層に広げていきたい考えだ。
理工系のような高度な専門性分野を学ぶ女子学生は依然として少ないのが現状だ。ジェンダーダイバーシティを推進したい企業では、このような他社事例を参考に、人材育成プログラムの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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