マインドセットが鍛えられ、会社の業務にも好影響
──1クール取り組んで、どういった効用を感じていますか?向門 企画から運営までの全てを自分たちで手がけているわけですが、自分たちがやりたいことを丸ごとやれるというのは、単純に学びが多く、楽しいです。特に、各プログラムを企画するにあたり、“前後のプログラムとの連続性をどう持たせるか”といったストーリーを考える訓練にもなりました。また、「SPARK!」の一部の参加者からは、「自己理解を深めたことで、悩まずに意思決定できるようになった」という声も届いており、中には参加後に実際に起業してみたという方もいました。
河合 さらに、「ボトムアップフェス」という異業種交流のワークショップに運営メンバーとして参加したのですが(編注:文末の記事リンクを参照)、同様のことを行っている他社の人たちとの交流にも結び付いています。
私としては、“楽しく学んで行動に移し、そこで得た成果を共有する”という、スパイラル状に経験を深められた成果を感じています。「SPARK!」の場合、一度GOAで学んだことを人に教える側に立つことで、学びがさらに深まるという効用もありますね。これによって自分たちのマインドセットが鍛えられ、会社の業務にも好影響が及んでいるのではないでしょうか。
向門 即効性はないかもしれませんが、企画力や発信力、主体性、リーダーシップといったスキルやマインドが養えているように思います。
河合 1クールを終えてみて、改めてこの活動の意義を再確認できました。したがって、内容を大きく変えるつもりはありません。まずは小さくスタートさせましたので、今後、徐々に規模を広げながら続けていきたいと思っています。
そのための技術的な課題はいくつかありますね。社内外の参加者をより効率的に集める募集の工夫や、地方の参加者との格差の解消といったことです。
──会社としては、どういった期待を寄せていますか?
高橋 私も「2030 SDGs」カードゲームの回に参加したのですが、意識しないと社会のことより経済のことを優先して考えてしまう社会の縮図がよくわかり、とてもためになりました。こういうことは実際に参加してみないと気づけないので、参加してよかったと思いました。この回にも社長や常務が参加しました。
VUCAの時代、何が役立つかを正確に予見できる人はいないと思いますし、人事ビジョンとして主体的に学び市場価値ある人財になることを掲げているので、彼らのような若手社員が主体的に自らの幅を広げる活動を行っていることは評価しています。長く続けてもらいたいがゆえに、介入はせずに見守っていきたいと思っています。
>>関連リンク:企業の枠を越えて新ビジネスを。大企業の有志が仕掛ける異業種交流ワークショップ『ボトムアップフェス』が目指すものとは
大鵬薬品工業株式会社 開発二部 河合真樹氏
大鵬薬品工業株式会社 早期臨床開発部 向門大介氏
大鵬薬品工業株式会社 人事部 ダイバーシティ推進担当部長 高橋郁子氏