渡辺 学生はサイトのなかでアセスメントを受けるというお話をしましたが、ほかに自分のスキルや学校での活動など、プロフィール情報を登録することもできます。それと友人・知人からの360度評価。これらが基本的な情報ですが、これに加えて、サイト経由で参加したインターンシップの記録や企業からのフィードバックなどを反映するようになっています。インターンシップに参加すればするほどその学生の志向性がより正確に分析され、マッチングの精度が上がっていくようになっています。リストアップもされやすくなりますので、学生には積極的にインターンシップに参加し多くの経験を積むように推奨しています。他に影響するものとしては、インターンシッププログラムに気になるものがあれば押す「興味ありボタン」というものも設けてあります。
寺澤 最近は、インターンシップ・バブルのような状態ではあるものの、1Dayや半日など、実質的には採用セミナー程度の内容にとどまることも少なくありません。学生の学びになるインターンシップという観点から、こういったものは何かの形で選別しているのでしょうか。
渡辺 そうした短期のインターンシップが悪いわけではありませんが、長期のインターンシップとは役割も目的も異なるかと思います。ですので、サイト内では5日以上のものを「インターンシップ」と呼び、4日以内のものは別の名前で運用することで、学生が目的の違いを認識しやすいようにしました。
渡辺 学生の皆さんを長らくサポートしてきた知見や、多くの学生との接点がありますので、これまでの蓄積からご相談には乗れるかと思います。学生側に対しても、たとえば、なかなかインターンシップに参加できないという学生を弊社のキャリアカウンセラーがサポートするといったこともしています。相乗効果が出るようにお手伝いして、学生だけでも企業だけでもなく、全体のチャンスが広がっていくことを重要視しています。
産学連携の人作りを
寺澤 これからは大学がもっと採用・就職に関与する必要があると思います。大学が適切に介在することで、企業と学生の間にも良い関係が生まれるのではないでしょうか。渡辺 そうだと思います。学生・企業、どちらかだけでなく、大学がハブとして介在し、適切に関与する必要がありますね。採用できればいいということではなく、産学が連携して人作りをして、最終的に産業界で活躍する人材が多く生まれるようにすることが本来あるべき姿だと思います。「キャリア教育」といっても大学にはまだまだ知見がないのが実情です。個人情報は提供しませんが、学内のキャリア教育に活かせるよう、傾向などのデータは提供していきます。
寺澤 そうですね。学生と企業との相互理解は、インターンシップの場で時間をかけて培われるのが一番いいと思います。学生は働く人たちの習慣、価値観を共有でき、その仕事が自分に向くのかという判断もできるようになる。お客さん扱いの説明会だけでは、入社していきなり挫折するといったことが起こっても無理はありません。
この仕組みでコーオプ教育的な観点のインターンシップが広がり、産学連携の人作りにつながっていくといいと思います。本日はありがとうございました。