グループワーク中心の1Dayインターンシップ
前項では採用セミナーとの違いを聞いてみましたが、インターンシップ本来の趣旨である「仕事体験」の要素があるのかを聞いてみたところ、企業規模による差異はあるものの、圧倒的に多いのは「仕事に関連したテーマのグループワークがある」とする回答でした[図表6]。全体で51%、大企業に至っては73%にも上ります。「実際の仕事に近いものが含まれている」とする割合が多いのは、大企業よりもむしろ中堅企業のほうです。中堅企業では、「実際の仕事に近いものが含まれている」が39%で、「仕事に関連したテーマのグループワークがある」の44%と大差はありません。一方の大企業では、「仕事に関連したテーマのグループワークがある」が「実際の仕事に近いものが含まれている」に50ポイントもの差をつけています。応募者が多い中での運用では、グループワークが限界といったところなのでしょう。4段階のインターンシップ実施例も
昨年夏から実施されたインターンシップの具体的な内容も見ておきましょう。フリーコメントでの回答内容をご紹介します。●業界理解のシミュレーションゲーム、当社理解の実習、改善プレゼン(1001名以上、商社・流通)
●各部署に配属されたと仮定した体験型ワークショップ等(1001名以上、商社・流通)
●エンジンの新規開発企画。市場調査を行い、当社がどのようなエンジンの新規開発を行えばよいかを企画(1001名以上、メーカー)
●社内各部署での職場見学、経営課題を与えてのグループディスカッション(1001名以上、メーカー)
●自己分析型のインターン(1001名以上、サービス)
●業界および会社概要説明、支店での業務全般、電話応対、接客対応(301~1000名、サービス)
●現場実習(約8割)および座学(約2割)(301~1000名、サービス)
●会社説明、会社見学、グループワーク(仮想経営課題について)、先輩社員との座談会(301~1000名、メーカー)
●研究施設、工場で1週間ずつ体験実習(301~1000名、メーカー)
●ソフトウェア開発の実務体験(300名以下、情報・通信)
●会社説明、コーディネイト体験、内定者の体験談、自己分析のヒント(300名以下、商社・流通)
●現場見学、業界レクチャー、営業同行、目的目標講座(300名以下、運輸)
複数タイプのインターンシップを組み合わせて実施している例もあります。
●半日間の仕事体感インターンシップを行い、そこで興味を持った学生のみを対象に、2週間の本格的な仕事体感インターンシップを募集(300名以下、サービス)
●半日タイプで業界研究(業界紹介と将来性)、ビジネス体験ゲーム、若手社員との座談会を実施し、1週間タイプで工場見学、CAD操作、製品組み立て、若手社員との座談会を実施(301~1000名、商社・流通)
さらには、他社との協働インターンシップと自社単独インターンシップを組み合わせ、年間を通して4種類ものインターンシップを実施している企業もあります。
●①関係グループ会社9社の協働インターンシップ(2日+α)を通年で20回開催、②IT企業(グループ外)3社の協働インターンシップ(1日)を8~12月で4回開催、③1①と②のイベント参加者向けの自社単独インターンシップ(2日)を通年で13回開催、④③の参加者向けの自社単独インターンシップ(1日)を通年で6回開催(1001名以上、情報・通信)