メンバーに反抗されると、思わず「カチン」と来て、「なんだその態度は!」と言葉を荒げてしまう上司がいます。
そのような上司の言葉に、メンバーもますます反抗的な態度を増してしまう・・・。
一方で、反抗的なメンバーの態度に気づきながら、何も対応しない上司もいます。
腫れ物に触るように、接点を持たないようにしたり、気づかないフリをしたりすることで逃げようとしてしまうのです。


なぜ、反抗的なメンバーにこのような態度を取ってしまうのか?
それは、メンバーのことを「怖れる」からではないでしょうか。
メンバーに反抗されることで、マネジャーとしての自分の威厳が損なわれ、他のメンバーから白い目で見られる。反抗されることで、計画の進捗が遅れ成果に影響を及ぼす。
とにかく反抗するメンバーを「怖れる」理由は色々あります。


少し考えてみてください。自分の事を怖れている上司は、メンバーから見るとどのように見えるのでしょうか?
それは、子供の事を怖れている親のようなものです。
想像してみてください、自分の親から怖れられているという状況を。
それは本当に悲しい状況です。大変不安な気持ちに襲われ、不安の裏返しで色々と
厳しいことを言ってしまいそうです。


反抗するメンバーは、「この上司は、自分の事を怖れている」「変な目で見ている」と感じているのかもしれません。一度、反抗を正面から受け止める場面が必要です。
何を言われても、「このメンバーは、色々な不安があるのだ」「自分は上司として、不安を解消してあげることが大切だ」と自分に言い聞かせ、とにかく受け止めてください。
最初は、「急に態度を変えやがって、何を上司ぶっているんだ」等といった態度をとられるかもしれません。しかし、ここで逃げるわけにはいきません。
逃げるような態度を取れば、「やはり、この上司は自分の事をおかしな奴だと思っている」とますます感じられてしまいます。


ここで大切なのは、「自分は上司としての態度を取らないといけない」というプレッシャーを捨てることです。一人間として、「この人の不安は何なのだろう?」「何とか解消してあげたい」と素直に考えることです。
また、「世の中には色々な考えの人がいる。このメンバーは私とは考えが違うが、それはそれでいいではないか」という受容の姿勢も問われます。
「こいつの考えはおかしい」「間違っている」という感覚が、反抗的な態度を取らせていることも多いのです。


このようなことについて、頭では分かっていても結局「カチン」ときてしまうことがあるのが人間です。完璧な上司はいません。
そんなときに、「あー、またやってしまった。悪かったな」と素直に謝れるかどうか。
一度素直に謝った結果、これまでギクシャクしていたメンバーとの関係が一気に良好になる等という例も多いのです。


メンバーを怖れていないかどうか?一度、自分の心をチェックしてみてください。
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