対面形式へのシフトにさらに拍車

次に、2026年卒採用に向けたインターンシップ(オープン・カンパニー、キャリア教育を含む)について紹介します。まずは、インターンシップの実施状況ですが、全体では「前年は実施していないが、今年は実施する」が6%、「前年同様に実施する」が60%と、合わせて66%の企業が“実施する”と回答しています[図表2]
[図表2]2026卒採用向けインターンシップの実施状況
規模別に見ると、大企業では“実施する”が82%、中堅企業では84%といずれも8割を超えるのに対して、中小企業では49%と今回も半数を下回っています。2024年12月初旬時点でも「未定・検討中」の企業が32%と3割を超えるなど、中小企業ではまだまだインターンシップの実施に積極的になれない企業が多いことがうかがえます。前年度の採用活動の真っただ中からの活動となることや、採用活動全体が長期化することなど、リソース的に負担が大きいと考える企業が少なくないということでしょう。

一方、今回の調査で特徴的といえるのが、中堅企業の積極性です。[図表1]の採用計画の増減でも「増やす」の割合は中堅企業がトップであり、インターンシップの実施状況でも大企業を上回る割合の企業が“実施する”としています。以降のデータでも、中堅企業の動きに注目していきたいと思います。

2024年12月までに実施したインターンシップの形式についても確認しましょう。全体では、「すべて対面形式で実施」が51%と半数を超え、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」が43%と、合わせて94%の企業が“対面形式”を取り入れています[図表3]。「すべてオンライン形式で実施」は今やわずか6%にとどまっています。
[図表3]12月までに実施したインターンシップの形式
規模別に見ると、「すべて対面形式で実施」は大企業が最も少なく30%、中堅企業は53%ですが、中小企業では65%と3分の2に迫る割合です。ただ、「対面形式とオンライン形式を混合して実施」と合わせると、最も少ない大企業でも91%、中堅企業では97%、中小企業では94%といずれも9割を超えています。「すべてオンライン形式で実施」は大企業が最も高い割合ではあるものの、それでも9%と1割を下回っています。

前回調査と比較すると、こちらでも中堅企業の変化が見られました。前回調査では、「すべてオンライン形式で実施」が25%と他の規模と比較して突出して高くなっていましたが、今回調査では逆に最も低い3%となり、“対面形式”へのシフトが一気に進んでいる様子がうかがえます。

大企業は就職ナビより自社HPでインターン募集

次に、インターンシップの実施時期(複数回答)を見てみましょう。全体では「2024年8月」が52%で最も多く、次いで「2024年9月」(45%)が続きます[図表4]。4割を超えたのはこの2カ月だけで、それ以外では「2024年12月」(37%)、「2025年1月」(32%)が3割を超え、比較的多くなっています。
[図表4]インターンシップの実施時期(複数回答)
規模別に見ると、大企業と中小企業では全体と同じく「2024年8月」が最も多く、それぞれ48%、55%ですが、中堅企業だけは「2024年9月」が57%で「2024年8月」(53%)よりも多くなっています。中堅企業では「2024年12月」も同じく53%と多くなっているのをはじめ、「2024年10月」から「2025年3月以降」まですべての月において全体を10ポイント前後上回っています。「2025年3月以降」に至っては、大企業が0%なのに対して中堅企業ではまだ30%を維持するなど、インターンシップの実施時期においても他の規模を大きくしのぐ勢いを見せています。

インターンシップの募集方法(複数回答)でも規模による違いが見られます。中堅企業と中小企業で最も利用されているのは「就職ナビ」で、それぞれ70%、55%と高い割合になっているのに対して、大企業では39%と4割を下回り、代わって「自社HP」が57%で最多となっています[図表5]。中小企業で「自社HP」を挙げている割合は29%しかなく、「就職ナビ」頼りになっている状況がうかがえます。
[図表5]インターンシップの募集方法(複数回答)
中堅企業では、「大学キャリアセンター(広報のみ)」(47%)が半数近くもあり、他の規模の2倍以上となっているほか、「大学キャリアセンター(マッチングあり)」(30%)、「大学研究室・ゼミ(広報のみ)」(13%)など、大学を介しての広報活動の割合が比較的高くなっています。

採用直結型の「1週間程度」が急増した中堅企業

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