ガクチカ 質問しない企業は1割以下
2024年卒の学生(学部生)は、大学入学時点からコロナ禍にあり、学生生活の大半をオンライン授業などの制約の中で過ごさざるを得ず、「ガクチカ」(学生時代に注力したこと)を思いどおりにできなかった学生もいる中、「2024年卒採用の面接でガクチカ質問の有無」について聞いてみました。全体では、「(質問を)している(する予定)」の割合は53%と過半数を占め、「面接官による」との回答も18%と2割近くあり、明確に「していない(しない予定)」と回答した企業は7%にとどまりました[図表4]。「ガクチカ」に関する質問をする企業だけを対象に、コロナ前と比較して「ガクチカの回答内容に対する評価ポイントの変化」があるかを聞いてみたところ、「ある」とする割合は、大企業では50%、中堅企業では33%、中小企業では48%となっており、全体で43%と4割以上の企業で評価ポイントを変化させる意向があることが分かります[図表5]。
・活動制限の中で、どのような工夫や活動をしたかを問い、対応力や発想力を見ます(1001名以上、サービス)
・コロナ禍でどんな工夫をしたか(1001名以上、商社・流通)
・予定や計画していたことができなくなったであろうことは事実なので、できたこととできなかったことの両方を質問する(300名以下、メーカー)
・以前より、行動した内容に対しての学生の考えを聞くようになった(301~1000名、メーカー)
・物事に対する考え方や答え方を総合的に判断しており、内容の良しあしにはこだわっていない(301~1000名、メーカー)
・自信を持って取り組んできたことを語れるかどうかがポイントなので内容は問わない(301~1000名、サービス)
・集団での活動等については、こちらからの質問としては控えている(300名以下、情報・通信)
コロナ過でもガクチカに取り組めた学生は8割
一方の就活学生側は「ガクチカ」にどう取り組んだのでしょうか。「ONE CAREER」に登録のあった2024年卒学生に聞いたところ、全体では59%と約6割の学生が「コロナ禍に関係なく取り組めた」と回答し、「コロナ禍で新たに見つけ、取り組めた」(20%)を合わせると約8割の学生が「取り組めた」と回答しています[図表6]。文系では77%、理系では83%と、理系のほうがやや「取り組めた」と回答した割合は多くなっています。■取り組めたこと
・学生新聞作成のプロジェクト,塾バイト,部活動の新入生勧誘(上位国公立大、文系)
・個別指導塾講師のアルバイトで生徒の成績向上に努めたこと(旧帝大クラス、文系)
・塾講師のアルバイト、サークル活動(早慶大クラス、文系)
・韓国語の勉強(その他私立大、文系)
・アルバイト先の新人研修を企画実行したこと。サークルで参加する行事のための衣装を発注したこと。スキル育成のためいろいろなアルバイトを経験したこと(上位国公立大、文系)
・編入試験を頑張ったこと(旧帝大クラス、理系)
・学生メディアの運営(早慶大クラス、文系)
・人とのコミュニケーションや人間関係について(中堅私立大、文系)
・学園祭実行委員会での活動です。コロナ禍で前例がない中で手探りの状況で運営を行ったことです(早慶大クラス、文系)
・B to Bのテレアポのコールセンターでのアルバイト(早慶大クラス、文系)
・学業、長期インターンに取り組めた(旧帝大クラス、文系)
・プログラミング学習、アプリ開発、サークル活動、ビジコン参加、インターン参加(早慶大クラス、文系)
・50人規模の演劇サークル代表を務めて自筆の脚本を作品にした(上位国公立大、文系)
・YouTubeチャンネルの再生数向上(早慶大クラス、理系)
・ビジネスコンテスト(旧帝大クラス、理系)
・資格の習得(旧帝大クラス、文系)
■取り組めなかったこと
・アメリカの大学への3カ月ほどの短期留学(早慶大クラス、理系)
・長期留学(上位国公立大、文系)
・海外経験 フィールドワーク(旧帝大クラス、文系)
・留学(上位私立大、文系、ほか多数)
・対面でのサークル活動(中堅私立大、理系)
・部活動、サークルに入部予定でしたが、活動がストップし、勧誘も行われず、入部するタイミングがなくなりました(中堅私立大、文系)
・旅行やサークル、アルバイトに打ち込みたかった。外出を含め行動制限がかかったため、取り組むこと自体が難しいものも多くあった(上位私立大、文系)
・ボランティア(旧帝大クラス、理系)