大企業は半数以上がセミナーのオンライン開催を維持
次は、各企業が独自に開催するセミナーや説明会(以下、セミナー)の開催時期を見てみましょう。セミナーを開催した月、および開催予定の月を複数選択で回答してもらった結果が[図表3]です。中堅企業では、「22年3月」が60%と全企業規模を通じて最も多くなっているものの、「22年2月」、「22年4月」、「22年5月」、「22年6月」などは大企業よりも少なく、「22年3月」に開催が集中していたことが分かります。中小企業では、開催月としての最多は他の企業規模と同様に「22年3月」ではあるものの、31%と中堅企業の半分程度にとどまります。「22年1月」や「22年2月」は2割にも届かず、「22年4月」から「22年6月」も23~26%と2割台です。中小企業で最も多かった回答は「開催しない」で、41%と4割を超えます。前年同時期調査では、「開催しない」とした中小企業は32%だったので、10ポイント近く増えていることになります。最初から個別対応、あるいは面接からスタートしてしまう企業が多くなったものと推測されます。
続いて、セミナーの開催形式を見ると、こちらも企業規模による違いがはっきりと見られます[図表4]。「すべてオンライン形式で開催」の割合は、中小企業で31%、中堅企業で40%、大企業では55%と半数を超え、中小企業と大企業では20ポイント以上の開きがあります。
新型コロナウイルスの感染がやや落ち着きを見せる中でも、大企業では集客規模が大きくなることもあり、対面形式に踏み切れずにオンライン形式を維持した割合が多かったようです。中には、会場費などの開催コストや労力の低減、遠方学生の参加のしやすさなどを考慮して、オンライン形式のみとした企業もあるでしょう。これらの企業は、コロナ禍がさらに収まったとしても、もはや対面形式には戻さない可能性も少なくないと思われます。
オンライン形式のセミナーを開催した企業を対象に、セミナーの配信形式を確認したところ、いずれの規模の企業においても「ライブ配信」が7~8割以上と圧倒的なシェアとなっています[図表5]。
人事担当者向けのオンラインセミナーでも、いつでも見られる「録画配信」は、申し込みはしても結局はいつまでも見ないという、採用担当者自身の経験が反映されているのかもしれません。実際、弊社が主催する人事担当者向けのオンラインセミナーも、「ライブ配信」と「録画配信」では、申込者数に対する視聴者数の割合は、圧倒的に「ライブ配信」のほうが高くなります。「録画配信」の視聴可能期間が1カ月間設けたとしても同様です。