コロナ禍で復権の兆しを見せる就職サイト

今度は、学生が活用している就職サイトについて見てみましょう。就職サイトは、従来からの総合型の就職ナビに加えて、逆求人型就職サイト、クチコミ就職サイトまでを含みます。

まずは、「活用している就職サイト」を複数選択方式ですべて選択してもらったところ、「マイナビ」が昨年同時期調査よりもポイントを伸ばしてトップを維持し、文系・理系ともに77%(昨年 文系:74%、理系:72%)と8割近い学生に活用されています[図表3]
[図表3]活用している就職サイトTOP10(複数回答)
2位から4位までも文系・理系ともに同じ順位となっており、2位は「楽天みん就」で文系・理系ともに64%、3位は「リクナビ」で文系63%、理系61%、4位はクチコミ就職サイトの「ONE CAREER」で文系51%、理系52%と昨年よりもポイントを伸ばして半数超えを果たしました。逆求人型就職サイトの代表格である「OfferBox」も昨年よりもポイントを伸ばし、文系は43%と4割を超えて5位、理系も34%で6位につけています。

その他、2021年6月調査から選択肢に追加したクチコミ就職サイトの「OpenWork」と「unistyle」が文系・理系ともにランクしたのをはじめ、理系に特化した逆求人型就職サイト「LabBase」も理系の10位にランクインしています。TOP10にランクインした就職サイトのほか、ランク外の多くの就職サイトが昨年よりもポイントを上げ、逆に「就職ナビや逆求人型サイトは利用していない」はポイントを下げる結果となっています。

オンライン化の波の中で対面形式の合同セミナーや合同会社説明会が減少し、キャリアセンターの活用や、先輩や友人とのリアルな情報交換もできない中、企業へのエントリーや説明会申込みだけでなく、就活ノウハウや過去のエントリーシート、面接選考内容などの情報源として、従来型も含めた就職サイトのニーズが再び高まっているものと考えられます。

次に、「最も活用している就職サイト」を一つだけ選択してもらった結果を紹介します[図表4]

文系・理系ともにトップは前項と同様に「マイナビ」で、文系48%、理系39%を占めています。2位から5位までも文系・理系ともに同じ順位で、2位「ONE CAREER」、3位「リクナビ」、4位「楽天みん就」、5位「OfferBox」となっています。
[図表4]最も活用している就職サイトTOP10(単一回答)
ただ、注目すべきは、選択肢を増やしたことも多少影響しているかもしれませんが、「ONE CAREER」を除いて、いずれの就職サイトも前年調査結果をわずかながら下回っていることです。唯一「ONE CAREER」だけが、文系:昨年13→15%、理系:同14→19%と伸びを見せています。6位以下は、前年調査結果からポイントを上げた企業と下げた企業が混在しています。それだけ就職サイトの多様化が進んでいるといってよいでしょう。

上位の就職サイトについて、選択理由を抜粋して紹介します。

【マイナビ】
・情報量の多さとアプリの使いやすさ(理系、上位私立大)
・学校が推奨していたから(理系、その他国公立大)
・WEBテストや就活対策の動画もあり、充実しているから(文系、上位国公立大)
・説明会・セミナーのスケジュール管理や、エントリー済みの企業を一括管理できるから(文系、早慶大クラス)

【ONE CAREER】
・過去の選考通過ESや選考フローが詳しく掲載されており参考になるから(理系、旧帝大クラス)
・口コミが充実しているのと、ONE CAREERが開催しているオンラインイベントも多様であること(文系、上位私立大)
・各選考段階前に確認して、面接のイメージをつかむため(文系、旧帝大クラス)
・内定者の選考体験をほとんどの企業について見ることができるから(文系、早慶大クラス)

【リクナビ】
・オンラインでの業界研究セミナーが多かったから(理系、旧帝大クラス)
・オープンエントリーシートが便利で企業も多い(理系、中堅私立大)
・最も早い時期から利用しており、毎日開く癖がついていたから。また、セミナーなどの参加特典を高確率でもらえたから(理系、その他国公立大)
・多くの企業が掲載されており、ページが分かりやすい。予定管理などもできるため便利である(文系、その他私立大)

楽観派が増えてもプレエントリーは減らず

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