依然として大手志向の学生が6割以上
さて、ここのところ新型コロナウイルスが新卒採用に与えている影響について、企業の動向を見て来ましたので、ややタイミングがずれてしまった感がありますが、今回は3月8~23日に「楽天みん就」の2021年卒業予定の会員学生を対象にして実施した「2021年卒学生の就職活動動向調査」の結果について紹介したいと思います。まずは就職意識から見ていきましょう。就職活動を行う学生に対して「就職を希望する企業規模」を聞いたところ、文系・理系ともに「できれば大手企業(※)」が最も多く、文系47%、理系54%と半数前後を占めています[図表1]。
※大手企業=1000人以上、中堅企業=300~1000人未満、中小企業=300人未満と定義して質問
一方で、「企業規模は問わない」とする割合は文系で24%、理系で15%となっており、文系のほうが企業規模へのこだわりが少ない学生が多いことがうかがえます。
「仕事の魅力」で重視するのは「仕事が面白そう」かどうか
学生が就職を志望する企業として重視する項目を「仕事」「会社」「社会的責任」「雇用」「採用活動」の五つのカテゴリーに分けて聞いてみました。まず、「仕事の魅力」については、文系・理系ともに「仕事が面白そう」を最も重視する学生の割合が高くなっており、文系で46%、理系で37%となっています[図表2]。やはり、まずは「面白そう」と関心を持つ仕事に就きたいと思うのは当然でしょう。
文系では、前年同時期調査と各項目の割合にほとんど変化が見られませんが、理系では、「仕事が面白そう」が前年42%から今回37%へと5ポイント減少し、代わりに「希望する職種につける」が前年25%から今回29%へ、「スキルが身につく」も前年17%から22%へと、それぞれ4~5ポイントも上昇しています。近年の職種別採用の流れがこの結果に影響しているのかもしれません。