連携事例1:学校カンパニー ハッカソンプロジェクト×ブロックチェーン開発支援会社
続いて、2つの連携事例が紹介された。1組目は、現職側からは学校カンパニー教育支援企画部の芦野恒輔氏、アルムナイ側からはソーシャルメディア「ALIS」の運営および企業向けブロックチェーンの開発支援を行う株式会社ALISの水澤貴氏が登壇。タイトルは「新しい価値を創る -事業パートナーとしてのコラボレーション-」だ。もともと二人は2009年度入社の同期生で、昨年6月、久しぶりに再会した。そこで教育データを活用するビジョンが一致し、意気投合したという。芦野氏は、総務省の人口動態などを見て、教育支援の仕事がいつまで続けられるのか危機感を持っていたそうだ。そこで学校カンパニー初の試みとしてオープンイノベーションを目指すべく、外部の多様な知見を借りながら新規事業の種を模索していたが、水澤氏が持つ新規事業やテクノロジーの知見は、まさに芦野氏が求めるものだった。
コラボレーションでは、「教育ビッグデータを使った新規事業ができないか」をテーマに、ベネッセおよびベネッセグループの社員、学校教員、エンジニア、そして水澤氏のような最先端のテクノロジーの知見を持つ人たちなど、約60人が広島県に集結。2日間の合宿形式(2019年11月16日~17日)で、「日本の教育はどうあるべきか」、「それに対しベネッセは何をすべきか」などを徹底的に話し合い、サービスのプロトタイプを作成した。今年中には実証研究も検討しているという。
連携事例2:ベネッセの英語教室×体験学習プラットフォーム
続いて2組目は、ベネッセの英語教室「BE studio」にて英語イベントの企画開発を担当する都筑麻子氏と、プロフェッショナルから学べる体験学習のプラットフォーム「ギフテ!」を運営する株式会社みらいスクールの校長・菅野高広氏による、英語体験学習の事例だ。もともとベネッセでIT戦略を担当していた菅野氏は、新しい教育の形を目指して5年前に起業。今回共通の知人を通じてたまたま知り合った都筑氏に声をかけられ、コラボが実現したという。もともと「BE studio」には、「英語イベントのラインナップを増やしたい」、「日曜日にクローズする教室を有効活用したい」という課題が、一方の「ギフテ!」には、「新規会員の流入経路を増やしたい」、「英語体験に最適な会場を見つけたい」という課題があったため、まさに双方の利害が一致した組み合わせと言えるだろう。企画内容としては、2020年1月12~13日の2日間にわたって、子供たちを対象に『めざせ!未来のYouTuber 英語で動画制作』という体験授業を実施した。
菅野氏は、社外から見たベネッセの協業の可能性に関して「会員規模、リソースフルな点やブランドから来る信頼感などは大きな魅力ですが、外部との事業連携に消極的な点や、協業の引き出しが少ない点などは課題だと感じます」と語り、協業をもっと進めるためには、社外ネットワークを積極的に広げてコラボ事例を称賛する、PDCAサイクルを高速化する、といったことが重要だとアドバイスを贈った。