受けた影響は「国内での売上減少」「イベント等の開催延期・中止」が最多
「多少なりとも影響がある」とする企業の「影響の進捗度」について、再調査では「既に大きな影響が出ている」が20%、「影響が出始めている」が63%で、これらを合計した「影響が出ている」が83%と8割を超えており、初回調査(65%)より18ポイント増加しています[図表2]。前述のとおり、「多少なりとも影響がある」と懸念する企業が急増している中、それら企業のうち、既に8割の企業で不安が現実のものとなっているようです。企業規模別で見てみると、「影響が出ている」とする割合は大企業と中小企業がいずれも9割、中堅企業では7割となっており、企業規模によって影響の進捗度が異なっているようです。企業規模別に見ると、大企業と中堅企業では「イベント等の開催延期・中止」がそれぞれ54%、73%で最も多く、中小企業では「国内での売上減少」が58%で最多となっています[図表4]。中小企業では「国内での売上減少」により、既に経営破綻に追い込まれる企業まで出てきており、こうした状況が続けば、中小企業が全体の9割以上を占める日本企業への影響は、より深刻な事態となることは必至といえます。
「社内イベントの開催延期・中止」「スライド出社・フレックス実施の推奨」が7割
このように先の見えない深刻な状況が続く中、企業はどのような対策を行っているのでしょうか。「企業活動への影響を考慮した対策の有無」については、再調査では「対策を取っている」が56%で最も多く、次いで「対策を検討中」が27%でした。これらを合計した「対策中・検討中」(「対策を取っている」と「対策を検討中」の合計、以下同じ)は84%となり、初回調査時(61%)より23ポイントも増加しています[図表5]。企業規模別に見ると、「対策中・検討中」の割合は、大企業では97%、中堅企業で90%、中小企業で72%となっており、大企業ではほとんどが、中小企業でも7割以上が対策に向けて動いているようです。・時差出勤を既に実施。基本的にはセミナーイベント等への参加禁止。各所に消毒薬を配備し、使用するように促している。5月までの入社式や研修等イベントはすべて中止(1,001名以上、商社・流通)
・当社の事業サービスで取り扱っている商品で、空間除菌できる除菌・消臭剤を社員向けに配布。時間差出勤(1,001名以上、サービス)
・社内表彰式の延期、入社式・集合研修の可否検討(301~1,000名、メーカー)
・集合型研修の延期(301~1,000名、メーカー)
・東京本社はテレワーク。全社会議の中止。対外イベントの中止等(301~1,000名、商社・流通)
・在宅勤務と時差出勤の一時的導入(301~1,000名、金融)
・全社員が毎月一回集まる朝礼などを中止、勤務時間中はマスク着用義務など(1~300名、情報・通信)
・対外イベント中止、社内研修延期、時差出勤の推奨、ドアノブに抗菌シート貼付、37℃以上の発熱時に休んでもらう(1~300名、金融)
・2週間のテレワーク(1~300名、サービス)
・リモート研修の企画(1~300名、サービス)