今回の新型コロナウィルス感染症の拡大について、前回の原稿執筆時の2月初旬の段階では、中国は大変な事態になっているものの、日本国内においてはここまで大ごとになるとは予想しておりませんでした。自分の認識の甘さを痛感しました。
政府からの大規模イベントの開催自粛要請を受けて、数多くの大学が卒業式や入学式の中止に踏み切りました。大学生活の最後の思い出となるべき式典の開催中止は、学生にとっては大変やるせないことでしょう。特に女子学生は、卒業式での羽織袴姿を楽しみにしていた方も多かったと思います。

さて、HR総研では、「新型コロナウィルス感染拡大による企業活動・採用活動への影響」についての緊急調査を実施しましたので、今回はその結果を報告したいと思います。緊急調査は2月13日~18日に実施しましたが、その後の政府からの「不要不急の外出自粛」「大型イベントの開催自粛」「小中高の臨時休校」等の要請を受け、リクルートキャリア、マイナビ等の就職ナビ会社が主催する就職イベントの相次ぐ中止や、企業による出張抑制、外部の会合への出席自粛、大規模なテレワーク実施など、最初の調査から2週間ほどのうちに世の中の情勢が一変したことから、2月28日~3月4日に一部設問を新たに追加した上で、再度調査を実施しました。初回調査と再調査との比較も含めて、各企業の最新動向について紹介します。
8割の企業が「企業活動に影響あり」
再調査における「新型コロナウィルス感染拡大による企業活動への影響」については、「影響がある」が55%、「まあまあ影響がある」が25%となっており、「多少なりとも影響がある」(「影響がある」と「まあまあ影響がある」の合計、以下同じ)が80%を占めています[図表1]。初回調査(56%)と比較すると24ポイントも増加しており、初回調査時から再調査時までの2週間ほどのうちに、企業の動向が大きく変化していることが分かります。