2. あなたは誰を頼るべきか

だからといって、誰を頼っても良いわけではありません。それぞれの段階で頼るべき適切な他者がいるのです。間違った人に助言を求めれば、プラスにならないばかりか、マイナスになってしまいます。

それでは各段階ではどういう人を頼るべきでしょうか。重回帰分析という統計手法を用いて、思考タイプ別に分析しました(図表2)。色の濃淡と矢印の太さで、役立つ確度を示しています。
なぜいつも決断ミスをしてしまうのか

2.1 事実の整理段階で頼るべき思考タイプ

事実情報を補完してくれるのは、思考タイプにはあまり関係ないようです。「事実重視」の人はもちろんですが、それ以外にもいろんなタイプの人が役立ちます。この段階では、その相手が必要な情報を持っているかどうかが鍵となります。それゆえ、相手の思考タイプはそれほど関係ないのでしょう。

ただし、役立つ保証のない思考タイプが1つだけあります。「挑戦志向」です。リスクをとって果敢にチャレンジする人は、多少の問題点やデメリットには目をつむるからかもしれません。この思考タイプの人には、事実情報が揃った後に関与してもらう方が良いでしょう。

2.2 アイデア出し段階で頼るべき思考タイプ

次のアイデア出し段階(「異なる解釈の発見」)では、「創造性」豊かな人と「挑戦志向」の人が最も役立ちます。感覚的にも分かるでしょう。一方で「事実重視」タイプは、この段階でのパートナーとしては不向きなようです。批判を覚悟で自分の意見を述べてはじめて、様々な議論に発展するものです。

さらに付け加えれば、この段階ではあなたとは違う思考タイプの人から、またできるだけ多様な思考タイプの人から意見を聞くことも大切です。コラム前編で説明したように、最終決定する前に出来るだけ発散して多くの選択肢を列挙しておく必要があり、そのためには認知的多様性が欠かせないからです。

2.3 決定段階で頼るべき思考タイプ

最後の決定段階(「自信と後押し」)で役立つタイプは、「先見性」と「決断力」です。その取り組みの結果を見通すことができ、自分自身もものごとを先送りにしない人に賛同してもらえれば、決断しやすくなるといえます。

反対に、「創造性」が高い人は要注意です。さんざん議論を重ねてようやく収束段階に移ったにもかかわらず、ちゃぶ台をひっくり返すような発言をされてしまうかもしれません。

3. 他者の意見を活かすためにあなたがすべきこと

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