Vol.06
「NEXT HR」キーパーソン特別インタビュー
ソフトバンクが推進する人材オープンイノベーション 多様なコミュニティと対話が企業成長を加速させる【後編】
インタビューアー:ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介
失敗を恐れず、まずはトライしてみる
寺澤人との繋がりを構築するうえで、日頃から心掛けていることは何でしょうか?
源田相手に対して自分の最大限の価値を提供したいとはいつも思っていますね。例えば、何かを頼まれたときは、できるだけ「無理です」とは言わず、面倒臭がらずに誠実に責任を持って対応すると。また、自分を偽らず、調子のいいことも言わずに、できるだけ素直に自分を出すようにも心掛けています。あとは例えば「今、人事関連のこんなサービスがあるよ」と人から紹介していただいたら、せっかくなので基本はまず使ってみる。もしもうまくいかなければ、止めればいいだけですので、「まずは何事もトライしてみよう」というスタンスを常に大切にしています。
寺澤トライアンドエラーを繰り返しながら、最適なものを見つけ出すという意味では、まさにアジャイル人事だと感じます。今日の正解がもしかしたら明日には不正解になってしまうかもしれないような変化の激しい時代だからこそ、一つのことに縛られず、色んなものをオープンに見て、実行していくと。さらにその中で、人と人とを繋げ、人と事業も繋げていく。こうした活動は、一般の企業では自分の役割ではないと思われている人事が多いと思うのですが、ソフトバンクさんでは人事の一番重要な役割と位置づけられているわけですね。そういう意味では、まさしくNEXT HR —— 次世代の人事を体現されていると感じました。最後に源田さんから企業人事に向けて何かメッセージをいただけないでしょうか。
源田これは社内外を見回しても感じることなのですが、優秀なのに思い切って行動しない人が多すぎますね。頭のいい人ほど失敗のイメージやシミュレーションが頭の中でできてしまうので、どうしても躊躇してしまうのかもしれませんが、それでは何も始まりません。変化の激しい時代だからこそ、新しいテクノロジーを積極的に取り入れたり、新しい取り組みにチャレンジしてみることが重要だと思います。そして何より、人事がその第一歩を踏み出すことに大きな意味があるのです。
ソフトバンク 人事総務統括 人事本部 採用・人材開発統括部 統括部長
源田泰之氏
1998年入社。営業を経験後、2008年より現職。新卒及び中途採用全体の責任者。 グループ社員向けの研修機関であるソフトバンクユニバーシティおよび後継者育成機関のソフトバンクアカデミア、新規事業提案制度(SBイノベンチャー)の責任者。 ソフトバンクグループ株式会社・人事部アカデミア推進グループ、SBイノベンチャー・取締役を務める。 孫正義が私財を投じ設立した、一般財団法人孫正義育英財団の事務局長。 採用では地方創生インターンなどユニークな制度を構築。幅広い分野で活躍する若手人材と、企業の枠を超え、国内外問わず交流を持つ。 教育機関でのキャリア講義や人材育成の講演実績など多数。