Vol.05
「NEXT HR」キーパーソン特別インタビュー
人生100年時代に向けてシニア人材が活躍するための人事部門の支援の在り方とは
インタビューアー:ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介
シニア社員を活用する際、考えておくべきポイントは何でしょうか?
シニア社員を活用するに当たって、成果を期待しないで雇用する「福祉的雇用」だけは避けなければなりません。シニア社員を戦力として考え、仕事面で期待成果を示していかないと、シニア社員自体も高い意欲を持って、仕事に取り組む気持ちが薄れます。「福祉的雇用」の人事管理であってはいけません。
人事管理の原則は、仕事と能力と処遇の三位一体の均衡を図ることです。それは、シニア社員でも同じです。高い能力を持ったシニア社員にはその能力を発揮できる仕事に就いてもらい、処遇していくことが求められます。現状は「仕事内容と賃金が合わない」「成果を上げても賃金が上がらない」といった不満の声が大きくなり、結果的に働く意欲と働きぶりの低いシニア社員集団が形成されている企業が少なくありません。
『労働者の5人に1人は高齢社員』時代を迎え、シニア社員が労働意欲の低い社員集団になれば、経営に及ぼす影響は短期だけでなく、中長期的にも深刻です。だからこそ企業はシニア社員を戦力化するために仕事と能力と処遇の三位一体の均衡を図ることを求められるのです。
学習院大学 名誉教授
今野 浩一郎 氏
1971年3月東京工業大学理工学部工学科卒業、73年東京工業大学大学院理工学研究科(経営工学専攻)修士課程修了。73年神奈川大学工学部工業経営学科助手、80年東京学芸大学教育学部講師、82年同助教授。92年学習院大学経済学部経営学科教授。2017年学習院大学 名誉教授、学習院さくらアカデミー長。
主な著書に、『正社員消滅時代の人事改革』(日本経済新聞出版社)、『高齢社員の人事管理』(中央経済社)など多数。
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