「アクティブラーニング」とは、受講者自らが能動的に取り組む学習方法を指す。 近年、社内の教育や研修に取り入れる企業が増えてきている。背景には、ビジネスパーソンに求められる能力が変化していることがある。生産性を重視する社会構造に変わり、自ら主体的に課題を発見し、新たなアイデアを用いながら、周囲を巻き込んで課題を解決していくことがビジネスの現場で求められるようになってきた。 従来の教育や研修では、壇上にいる講師がテキストを片手に、板書をしながらテキストの内容を受講者に解説するという形式がほとんど。受講者は講師の発言を聞きながら、重要だと思ったところをノートに書き留めるという形だ。分からないところを講義終了後に講師に聞きに行くということはあるが、講義中の情報は講師から受講者の1方向に流れる。そして、講師が教える内容は事前に決まっている。 中学校や高校、大学の講義を思い出す人もいるだろう。教室で全員が同じ、決まり切ったことを教わり、自宅で復習して、中間テストや期末テストで良い点を取る。このような学生が典型的な「良い子」であり、学校教育は同じような良い子を大量に育成する場であった。 企業も、上司の言うことをよく聞き、逆らわない「良い子」を喜んで採用した。その結果、企業には同じような「良い子」ばかりが集まり、何かの間違いで入ってきた「変わっているけど、飛び抜けた才能を持つ子」は孤立してしまう。 企業も、そのような「変わった子」をどう扱ったらよいか分からず、才能を発揮できる場を与えることもできない。結局その「変わっているけど、飛び抜けた才能を持つ子」は企業に居場所を見付けられず、退職してしまう。日本の高度成長期は、上司の命令に忠実で、均質な人材を揃え、みんなで同じようなことを一生懸命やることで日本の各企業は大きく成長していった。
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