HRサミット2018プレインタビューVOL.07

進化する多様な採用手法〜その効果的な利用法と、人事に求められるスキル〜

株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和利光氏
<インタビュアー>ProFuture株式会社 代表取締役社長 寺澤康介

ここ数年、採用手法は大きく変化している。HRテクノロジーが進化し、ダイレクト・リクルーティングやリファラル採用が広く普及。旧来の採用手法よりも効果的かつスピーディな採用活動が可能となっている。重要なのは、多様化する採用手法の中から、自社に適したものをいかに選ぶか。そして効果的に活用するために、人事自らも対応できるスキルをいかに習得するかである。そこで今回は、採用コンサルティングの第一人者である曽和利光氏に、最先端の採用手法の実態とその効果的な利用法についてお話いただいた。

時間的・空間的視点でまずはターゲットを広げてみる

人材不足が量的にも質的にも深刻化する中、多くの企業が自社の求める人材の確保に頭を悩ませています。激しい人材獲得競争に勝ち残るためには、従来の採用手法から脱却し、新しい採用手法に切り替えるなど、発想自体を大きく変えていかなければなりません。企業は今、こうした状況にどのように向き合い、何をすべきなのでしょうか?

曽和氏

採用手法を変える以前に、まず考えていただきたいのは、ターゲットを変えることです。人材不足が叫ばれていますが、実は市場にはまだまだブルーオーシャンが残されています。それを見つけ出すことが、差し当たっての近道と言えるでしょう。では、ブルーオーシャンはどこにあるのか。探し出すポイントは2つあります。1つは、時間的な広がりです。近年は大卒の新卒にこだわらず、既卒領域に手を広げている企業も増えています。例えば、早期離職したいわゆる第二新卒や、高卒の既卒、つまりフリーター採用など、1点に絞らず、時系列に視野を広げていけば、人材発掘の可能性もより広がっていくでしょう。そして2つ目は、空間的な広がりです。優秀な人材は首都圏だけに集中しているわけではありません。人口の1割を学生が占める京都をはじめ、関西圏や北陸圏なども注目を集め、企業の採用活動は年々地域展開が進んでいます。さらにスカウトメディアの台頭で転職者データベースが活用できるようになり、より地方採用が活性化されてきました。例えば、和歌山県の企業が中途採用で中堅の事業リーダーを地元出身者から採用しようとした場合、データベースで「和歌山」と検索すれば、全国に遍在する和歌山県出身者や和歌山に関係する人材を見つけ出すことができます。こうして時間的・空間的に視野を広げていけば、まだまだブルーオーシャンを見つけ出すことは可能なのです。

まずはファーストステップとして、ターゲットを変えてみると。確かに手法を変えるよりも、簡単に実行できますね。

曽和氏

そうですね。ただし簡単にできるということは、どこの企業でもできるということです。今はまだブルーオーシャンでも、いずれレッドオーシャンになってしまうでしょう。そうなると、今度はターゲティングではなく、手法論で差をつける必要が出てくると思います。

インタビューはまだまだ続きます。

  • オーディション型採用からスカウト型採用への転換
  • WEB面接の活用で埋もれた人材を掘り起こす
HRサミット2018での講演情報
B8 9/20(木)10:55 - 11:55 最先端の採用手法の実態とは。その効果的な利用法を考える

曽和 利光氏
株式会社人材研究所 代表取締役社長

京都大学教育学部教育心理学科卒業。リクルート、ライフネット生命、オープンハウスの人事採用責任者を経て現在、企業の採用や人事に関するコンサルティングに従事。主に自社の採用ブランドに頼らない採用を行うためのサポートを行っている。 著書に「ネットワーク採用とは何か」(労務行政)等

SPECIAL INTERVIEW

メディアパートナー
企業と人材
人事実務
人事マネジメント
労政時報
月刊総務
経済界