【HRサミット2016】日本最大級の人事フォーラム 5月11日・12日・13日開催!

スマホ世代を大きく伸ばせ!
組織がどんどん自己成長する仕組み

〜Self-Developing Organization〜

サムトータル・システムズ株式会社 代表取締役社長 平野正信氏

人口が減少して人材確保が大きな課題に

日本の人口はドンドン減り、2100年には5000万人になるといわれています。これは明治末の人口と同じです。生産年齢人口も減っていき、2060年には今の半分くらいになるといわれています。 人材確保のために、今後5〜10年の間に何らかの手を打つ必要があると思います。それなら外国から採用しようという発想になるかと思いますが、問題は他の先進国も同じような傾向にあるという点です。当然、人材の取り合いになります。

では、どうすればいいか──。

解決策の一つになるかも知れないのが新興国の存在です。ASEAN 10カ国にインドを加えるとGDPが7兆ドル、人口は20億人になります。中国は13億人ですが、すでに少子高齢化に入っているといわれていますので、今後は東南アジアとインドの人々の労働市場における重要性が急速に高まっていくものと思われます。

実は、弊社も社員の半分はインド国籍です。しかも、大部分はインドで働いています。インドのハイデラバッドという街に数千人という規模でインド国籍の社員がいて、どんどん増えています。担当してもらっているのはソフトウェアの開発、コンサルティング、顧客サポート、クラウドの管理などです。インドから世界中の拠点のサポートを行っているわけです。

とはいえ、新興国の人材の活用がすべての企業でできるとは限りません。人材確保は大きな問題になることが予想されます。グローバルな経済は今後も向上しますが、毎日1万人が65歳を迎えるという状況が15年以上続き、2020年には8500万人のベテラン従業員が不足するといわれているのです。人材が不足したら採用すればいいという時代は終わります。これからは今いる社員を大切にすることが重要になります。

スマホ世代が働く人の 半分を占める

今後の人材確保・活用を考えた時、もう一つの問題として世代交替があげられます。日本ではスマホ世代、グローバル用語ではミレニアム世代といいますが、1975年〜1980年以降に生まれた人達が2020年までに全労働力の半分を占めるようになります。この年代の人達がこれからの会社を担っていくことになるわけです。

この世代にはいくつかの特徴があります。まず、あげられるのが自分を大事にして欲しいという気持ちが強い点です。無視されることを非常に嫌う傾向があるだけではなく、自分に対していろいろなアクションを起こして欲しいという欲求が強いのです。また、向上心がおう盛で勉強熱心、働いた分お金が欲しいという欲求も強いという特徴もあります。

この世代のワークスタイルについては、一言でいえば「通勤よりも仕事」です。携帯端末が当たり前の存在になっている彼等は会社に出てくるということを重視していません。携帯端末をもって飛び歩く──、つまりリモートオフィスがミレニアム世代のワースタイルを語るキーワードです。

リモートオフィス化が進んだ場合、大事なのはジョブを明確にするということです。日本ではジョブディスクリプションなどいらないという人事の方がたくさんいらっしゃいますが、今後は必要になると思います。 また、今では「Twitter」や「YouTube」、「LINE」といったものが、完全に一般化しています。この辺りの変化も社内に取り込まないとミレニアム世代は納得しません。

単にシステムを入れればいいというだけではありません。SNSを使ったコミュニケーションの方法はかなり違います。メールですと、「お世話になっております」などの前置きを入れ、本文を入れ、「よろしくお願いします」などの挨拶で締めるというのがフォーマットになっています。ところが、SNSのコミュニケーションは「これから伺います」など短文です。 そういうコミュニケーションのあり方も含めて、システムや仕組みを作っていく必要があります。そうしないと、ミレニアム世代の社員は定着しません。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:サムトータル・システムズ株式会社

平野 正信氏

サムトータル・システムズ株式会社
代表取締役社長
平野 正信氏

IBMの開発エンジニア、日経マグロウヒル社(現日経BP社)記者、ハイペリオン日本法人代表、 レッドハット・アジア担当VPなどを経て現在に至る。記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などの ITソリューションなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。明快な説明に定評がある。