現在、日本では約128万人の外国人労働者が働いている。政府は2018年に「経済財政運営と改革の基本方針2018」を発表し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れるための新たな在留資格を設け、人手不足解消を目指すとしており、更なる外国人労働者の増加が見込まれる。これを受け、日本労働組合総連合会は2018年9月、全国の20~60代の働く男女1,000名(各年代均等割付)を対象に、「外国人労働者の受入れに関する意識調査」を実施、結果を公表した。
進む外国人材受け入れ拡大 日本人労働者の意識、実態とは

まず、自分の職場に外国人労働者がいるかと聞いたところ、27.7%がいると回答。業種別にみると、情報通信業(47.9%)や教育、学習支援業(46.6%)、製造業(46.3%)で高い割合となった。

次に、日本全体として外国人労働者が増えることについてどう思うか?と聞いたところ、「よいことだと思う」(「非常によい」と「まあよい」の合計)と回答した人の計は54.9%と肯定的な人が多数派となった。
世代別にみると割合が最も高かったのは、20代で65.5%であった。一方、「よいことだと思う」の割合が最も低かったのは、40代で46.5%と半数を下回った。

「よいこと」と回答した方に理由を尋ねると、「人手不足を補うためには必要であるから(63.9%)」、「外国人労働者が増えて多様な考えに触れると、新しいアイデアなどが生まれるから(40.4%)」、「外国人労働者、日本人労働者と区別すること自体がおかしいから(39.7%)」という回答となった。

業種別に見ると、1位の「人手不足を補うためには必要であるから」は、医療、福祉では76.5%と、他の業種より高くなっている。また、2位の「外国人労働者が増えて多様な考えに触れると、新しいアイディアなどが生まれるから」は、情報通信業と教育、学習支援業において、それぞれ54.8%、64.0%で他の業種より高くなっている。

一方、「よくないこと」と回答した理由としては「外国人労働者の雇用より、まずは日本人の雇用を優先すべきであるから(61.8%)」、「日本人の雇用・労働条件、働き方にマイナスの影響があるから(45.6%)」「日本人が就きたがらない仕事に、外国人労働者を活用すればよいという考えはよくないから(30.0%)」という声が上がった。


最後に実際に外国人労働者の受入れにあたって、何が必要かも尋ねたところ、

1位:外国人労働者を受け入れる企業の体制整備(46.2%)
2位:外国人労働者も同じ職場の仲間として受け入れる日本人の意識の醸成(45.3%)
3位:外国人労働者に対する日本語教育(39.8%)

となり、外国人本人に対する教育とあわせて、日本人の意識や企業の体制が求められていることがわかった。

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