ストレスとは変化である
以前の記事「ストレスチェック制度スタート―そもそもストレスとは?」でもお伝えしましたが、ストレスとは変化そのものである。環境が変わることがストレスになるのである。例えば臨床心理士の私自身が企業内で相談を受けた例として、
・30代前半男性
・結婚し転居した
・同時期に昇進
という方が相談に来られた。その方は「周囲からも順風満帆、幸せの絶頂だねと言われ、自分もそう思うのですがどうも体調が悪いのです」とお話しされた。
お話を聴いていて、「これだけ変化があられたんですね。変化はストレスということをご存知でしたか?」とお話しすると、とても驚かれたのである。
その方は、ストレスというのは悪い出来事に限るものだと思い込んでいたのだ。そのために、いまの状況が幸せの絶頂にあるとは考えていてもストレスフルな状況であるとは思いもつかなかったようなのである。
その方は、ご自身を振り返りストレスマネジメントに努めることで体調が回復した。
この例でもそうなのであるが、ストレスとは悪い出来事と思いがちだ。結婚や昇進といった一般的にめでたいことでもストレスになりうる。そのことを知らないと、自身に過度なストレスを与えることになるのである。
下図はストレスになりうるライフイベントです。よいものも悪いものも両方あることが分かるであろう。
部下になんらかのライフイベント(めでたい事も悪いことも両方含む)があった方は、特に気を付けなくてはならいからである。
ご自身のため、また部下や同僚の変化に気づくためにも、「ストレスとは変化である」ということを覚えておいていただければと思う。そうすればより適切なストレスマネジメントをすることができるようになる。以上臨床心理士からのちょっとしたアドバイスである。
Office CPSR臨床心理士・社会保険労務士事務所 代表
一般社団法人ウエルフルジャパン 理事
産業能率大学兼任講師 植田 健太