チューリッヒ生命保険株式会社は2024年10月8日、ビジネスパーソンを対象に実施した「ストレス」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2024年8月8日~9日で、全国の20歳~59歳の有職者1,000人から回答を得ている。調査結果から、現在ビジネスパーソンが抱えているストレスの要因が明らかになった。
仕事で“ストレスを感じる要因”トップは「給与・賞与」、4年連続の1位に。特に若年層で経済的な不満・不安が強い傾向

仕事で“ストレスを感じる要因”1位は「給与・賞与(金銭面)」

コロナ禍を越え、フレックス制やリモートワークといった新たな働き方が浸透し、柔軟な働き方を叶える制度を導入する企業も増えている。こうした背景をもとにチューリッヒ生命保険は、現在ビジネスパーソンが抱えているストレスの要因について調べるべく、今年で7回目となる「ストレス」に関する調査を行ったという。

はじめに同社が「仕事をする上で、最もストレスを感じる要因」について尋ねると、最多となったのは「給与・賞与(金銭面)」(21.7%)で、4年連続で1位となった。以下、「仕事内容」(17.8%)、「上司・部下以外の社内の人間関係」(15.4%)、「上司との関係」(13.6%)と続いている。なお、トップ5が過去の同調査と同様の結果になったことから同社は、特に経済面でのストレスが目立つ近年の傾向について、「新しい働き方が浸透してきても変わらず、多くのビジネスパーソンのストレスや悩みになっている」と述べている。
仕事をする上で、最もストレスを感じる要因

仕事でやりがいを感じる場面は「給与・賞与をもらったとき」が最多。若年層で顕著に

次に同社は、「普段仕事をする上で、最もやりがいを感じる場面」について尋ねた。その結果、最多は「給与・賞与をもらったとき」で23.1%、次いで「感謝をされたとき」が16.4%となった。

なお、年代別の結果では、20代の最多は「給与・賞与をもらったとき」(55.2%)、次いで「目標を達成したとき」(23.2%)だったという。一方、50代の最多は「感謝をされたとき」(40.0%)、次いで「給与・賞与をもらったとき」(32%)となり、年代によって仕事のやりがいが異なることが明らかになっている。これらの結果から同社は、「日本では年齢や勤続年数に応じて給与が上がりやすい傾向があり、若い世代は金銭的な『安全欲求』がやりがいにつながり、年齢に伴い給与も上がりやすくなる世代では『承認欲求』がやりがいにつながることがわかる」としている。
普段仕事をする上で、最もやりがいを感じる場面

ストレスによる“精神的な不調・不安”を半数弱が抱えている実態

続いて、「さまざまなストレスにより精神面の不調や不安を感じることがあるか」を尋ねると、「とても感じている」(15.9%)、および「やや感じている」(30.2%)の合計は46.1%と、半数に迫った。一方、「あまり感じていない」(13.8%)、および「全く感じていない」(10.3%)の合計は24.1%で、約2割にとどまっている。
さまざまなストレスにより精神面の不調や不安を感じることがあるか

“精神的な不調・不安”を感じている理由は「人間関係」、「経済面」など

そこで同社は、前問で「ストレスにより精神面の不調や不安を感じている」とした人に対し、「なぜ精神面の不調や不安を感じていると思うか」と尋ねた。すると、「職場での人間関係によるストレス」が最多の45.8%、以下は「経済面の不安によるストレス」が38.4%、「仕事の負担感によるストレス」が38.2%となった。
なぜ精神面の不調や不安を感じていると思うか
本調査から、仕事で“ストレスを感じる要因”の1位は「給与・賞与(金銭面)」で、近年において特に目立つ傾向であることがわかった。また、仕事で“やりがいを感じる場面”としても「給与・賞与をもらったとき」が最多となっており、特に若年層においてその回答率が顕著に高いことが見てとれた。日本企業にいまだ多く残る年功序列制の慣習から、若い世代においては給与や賞与面での金銭的な不安・不満が蔓延しているようだ。若年層がポジティブに仕事に取り組むことができるよう、若い世代の賃上げにいまいちど向き合ってみてはいかがだろうか。

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