株式会社レスポンド、およびアビリティ株式会社は2024年9月25日、人事担当者を対象に実施した「内定者研修」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2024年9月4日~5日で、採用活動を行う中小企業の人事担当者331人より回答を得ている。調査結果から、中小企業の内定者研修の実態が明らかになった。
【内定者研修】中小企業でも7割が実施、内容は「ビジネスマナー」や「業務知識」など。“内定辞退防止”や“即戦力化”が狙いか

「内定者研修」を実施する中小企業は約7割に

引き続き売り手市場となっている大卒の採用市場。採用した人員を即戦力化するため、入社前の内定者研修や入社後の新入社員研修に力を入れる企業も大企業を中心に数多くあるという。しかし、本調査主体のレスポンドおよびアビリティは、「大企業に比べてリソースの少ない中小企業では内定者研修までのフォローができていない現状もあるものと思われる」との見解だ。では、中小企業の「内定者研修」の実態はどのようになっているのだろうか。

はじめに同社らが「内定者研修を実施しているか」を尋ねると、「実施している」との回答が71%と半数を超えた。中小企業の約7割が「内定者研修」を実施しているようだ。
内定者研修を実施しているか

内定者研修を実施している理由は“内定辞退防止”や“即戦力化”など

次に、「内定者研修を実施している」とした企業に「内定者研修を行っている理由」を尋ねている。その結果、最多となったのは「社風や企業文化を早期に理解してもらうため」で50.2%、次いで「内定辞退を防ぐため」が47.2%となった。以下、「内定者間の繋がりを醸成するため」が46.4%、「必要なスキルを早めに習得させるため」で45.5%となっている。これらの結果から、“内定辞退防止”、および“入社後の即戦力化”が内定者研修実施の主な理由になっていることがわかった。
内定者研修を行っている理由

内定者研修の内容は「ビジネスマナー」や「業務に関する基本的な知識」など

続いて、内定者研修を実施している企業に「内定者研修の内容」を尋ねた。すると、「ビジネスマナー研修」が63.4%で最多となり、次いで「業務に関する基本的な知識に関する研修」が61.7%、3位が「チームビルディング研修」で40.4%となった。社会人としての基礎的なマナーや知識に関する研修、および実際の業務に関する研修が上位に並んだことから、同社らは「前述の設問同様、内定者研修では入社後の即戦力化を見据えた研修が行われている」との見解を示している。
内定者研修の内容

内定者研修の外部委託は約半数。そのうち約8割が「成果に満足」と回答

さらに、内定者研修を実施している企業に「内定者研修を外部に委託しているか」を尋ねた結果、「委託している」との回答が50.2%と約半数になったという。

そこで、「内定者研修を外部に委託した成果をどのように感じているか」と尋ねると、「非常に効果があり、満足している」が29.7%、「効果があり、満足している」が49.1%だった。合計すると78.8%となり、内定者研修の外部委託に効果を感じて満足している企業が8割にのぼることがわかった。
内定者研修を外部に委託した成果をどのように感じているか
本調査から、中小企業の約7割が内定者研修を実施しており、その主な理由は「社風や企業文化を早期に理解してもらうため」や「内定辞退を防ぐため」であることがわかった。また、中小企業の内定者研修で最も多く行われているのは「ビジネスマナー研修」で、約半数が内定者研修を外部委託しており、その成果に満足している企業は8割にのぼっていた。25卒の内定式を経て、内定者研修が実施されはじめる。他社の動向もチェックしながら、自社での研修実施の是非や方法を検討していきたいところだ。

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