“キャリア自律層”は、していない人に比べて自身の職場の推奨度が約3~4倍高い
日本社会における構造的な人手不足は、多くの企業を悩ませる喫緊の課題だ。各社が人材確保に励む中で、離職率を低下させることもその一つの取り組みだ。現代では、働く人の企業選びの軸も変わりつつあり、企業としては自社の従業員のキャリア観・仕事観に目を向けることが非常に重要になっている。働く人の「キャリア自律」や「ワークエンゲージメント」、「離職リスク」にはどのような関係があるのだろうか。はじめにNEWONEは、「キャリア自律」と「自身の職場の推奨度」との相関性を調査している。すると、キャリアに関心があり「自身の職場を他者に推奨できる」と回答した人は42%であるのに対し、関心がない人は11%だった。また、「キャリアの可能性を広げるために行動している」、かつ「自身の職場を他者に推奨できる」と回答した人が全体の47%であった対し、「行動していない」と回答した人は14%と、比較的低い数値になっている。キャリア自律している層は、していない層と比較すると、自身の職場の推奨度が約3~4倍高いようだ。
“キャリア自律をしている人”は仕事にポジティブに取り組めている
次に同社は、「キャリア自律」と「ワークエンゲージメント」の相関を調べた。すると、キャリア自律をしている人は仕事に対してポジティブに取り組めていることがわかる結果が得られたという。なお、この傾向は“推せる職場”においてはさらに強まっている。全職場におけるキャリア自律とワークエンゲージメントの相関
“推せる職場”のキャリア自律とワークエンゲージメントの相関
“キャリア自律している人”ほど離職傾向が低い結果に
続いて同社は、年代別に「離職傾向」について調べている。すると、キャリア自律している人ほど職場の推奨度が高いように、キャリア自律している人ほど離職傾向が比較的低く、現職でキャリアアップできるあいだは離職せずに留まる意向が見られた。いずれの年代においても、キャリア自律していない人の方が“現段階の退職意向”が高い傾向にあることもわかった。また、20代で“キャリア自律している人”はキャリアを短期目線で捉える傾向にあった。これらの結果について同社は、「現職でキャリアアップできないと感じると離職につながるリスクが高く、若手社員ほど企業側がキャリアアップのイメージを伝えることが重要」であると推測している。