HRプロの人事トレンドニュースでは、「2024年問題に対する企業の見解」や「入社式・新入社員勤務形態」に関する調査結果のほか、「正社員の『平均初年度年収』と『求人件数』の2023年総評」、スズキの人的資本増強による「人事制度刷新」、OKIの「育児と仕事の両立支援に関する支援制度等の複数導入」といったニュースをお伝えしてきました。3月25日(月)~31日(金)のHR関連ニュースを以下でご覧ください。
【2024年問題】企業の見解は約7割が「マイナス」予想。物流コスト・人件費の増加を懸念か|3月25日~29日【HRニュースまとめ】

【2024年問題】企業の見解は約7割が「マイナス」予想。物流コスト・人件費の増加を懸念か

【2024年問題】企業の見解は約7割が「マイナス」予想。物流コスト・人件費の増加を懸念か
株式会社帝国データバンクは、「2024年問題に対する企業の見解」に関する調査結果を発表した。まず全国の1万1,407社を対象に、「2024年問題への影響」を尋ねた。すると、2024年問題全般では「マイナスの影響がある」との回答は59.9%と、約6割を占めた。

さらに「物流の2024年問題」について見たところ、「マイナスの影響がある」とした企業は全体で68.6%となった。業界別に見ると、「卸売」や「農・林・水産」など6業界において7割を超えた。企業からは、物流コストの増加による製品単価の上昇や、生産計画への波及といった懸念点が聞かれたという。

あわせて、「2024年問題全般における具体的な影響」を尋ねたところ、「物流コストの増加」、「人件費の増加」、「人手不足の悪化」が上位に並んだ。その対策として、「運送費の値上げ(受け入れ)」、「スケジュールの見直し」、「運送業者の確保」などを講じている、または講じる予定としていることがわかった。

2023年の“転職者”の平均初年度年収は「456.6万円」。人手不足対策で未経験者求人も増加へ

2023年の“転職者”の平均初年度年収は「456.6万円」。人手不足対策で未経験者求人も増加へ
株式会社マイナビは、「正社員の『平均初年度年収』と『求人件数』の2023総評」を発表した。本調査は同社が運営する転職サイトの掲載求人および応募数のうち、正社員を対象とし集計したものだ。はじめに「正社員の平均初年度年収」を調べ、未経験者と経験者で比較した。その結果、全体では「456.6万円」、未経験者求人が「426.8万円」、経験者求人が「518.3万円」だった。2022年平均と比較すると、全体では「2.4万円増」となり、コロナ禍前の2019年からは「19万円増」で、年々増加していることも明らかとなった。

また、平均初年度年収が最も高かった業種は「IT・通信・インターネット」(518.4万円)で、未経験者求人のみに絞っても同項目が1位となった。いずれも2023年の平均初年度年収は500万円弱、前年差は5万円~7万円だったという。さらに、2023年の年間平均で未経験者求人の比率が高かった業種は「運輸・交通・物流・倉庫」だったとのことだ。

スズキが「人的資本の増強」を発表。人事制度の刷新で“個の成長・稼ぐ力”を強化

スズキが「人的資本の増強」を発表。人事制度の刷新で“個の成長・稼ぐ力”を強化
スズキ株式会社は、2023年度に向けた成長戦略の達成および持続的成長の実現に向け、人的資本を増強すると発表した。その一環として、2024年4月より人事制度を全面的に刷新するという。

今回実施する制度改革は社是と行動理念に則り、知識・スキル・ノウハウを備え現場での経験を重ねることで“スズキ人材”としての職務能力を高め、組織の稼ぐ力を上げていくことを目的としている。制度改革のポイントは、(1)職能資格制度の導入、(2)評価制度の見直し、(3)60歳以降の働き方の見直し、(4)給与・手当・初任給の見直しの4つだ。これにより、社員一人ひとりが自身の能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、「個の成長」の加速と「個の稼ぐ力」の強化を目指す考えだ。

なお、新卒初任給は2024年4月以降、高校卒・大学卒・大学院卒のそれぞれにおいて、現行から12~14%ほど引き上げ、20万1,000円~27万3,000円になるという。

OKIが“育児と仕事の両立支援”に関する8つの制度・施策を導入。「前向きに活躍できる会社」へ

OKIが“育児と仕事の両立支援”に関する8つの制度・施策を導入。「前向きに活躍できる会社」へ
沖電気工業株式会社(OKI)は、「育休サポート奨励金」など育児と仕事を両立するための支援制度・施策を、2024年4月より複数導入すると発表した。同社ではこれまで、「法定を上回る育休期間の設定」や「子の小学校修了まで利用できる短時間勤務制度」など、社員の育児と仕事の両立支援を行ってきた。

今回新たに導入する「育休サポート奨励金」は、育休取得社が担当する業務が育休休暇中にも円滑に行われるよう支援した社員を対象に、最大10万円を分配して支給するものだ。これにより、中長期の育休取得者に対する周囲のサポートに報いることで、育休を取得しやすい組織風土を醸成するという。

さらに、より長期的な視点で育児と仕事の両立を支援するべく、不妊治療支援や育児・家事のアウトソーシングなど幅広く着目し、制度の新設・改定を実施したとのことだ。新たな制度・施策の導入により、長期にわたる社員の支援を目指すとともに、「中期経営計画2025」においてマテリアリティとして掲げる「多様な人材が前向きに活躍できる施策の推進」に取り組んでいくという。

【入社式】9割以上が「リアル」開催。新人研修や勤務形態も8割以上が対面のみに

【入社式】9割以上が「リアル」開催。新人研修や勤務形態も8割以上が対面のみに
株式会社学情は、「入社式」と「新入社員の勤務形態」に関する調査結果を発表した。まず企業・団体の人事担当者617名を対象に、「2024年4月入社の入社式の実施形式」を尋ねた。すると、「リアルで開催」は88%と9割に迫り、2023年(81.2%)より6.8ポイント増となった。また、「オンラインとリアルを組み合わせて実施」(3.3%)と合わせると、9割以上の企業が「リアル」で実施予定であることがわかった。

次に新入社員の入社後の勤務形態について尋ねると、「出社」(88.1%)が最多となり、「出社とテレワークの組み合わせ」(8.9%)が続いた。一方、「入社後すぐにテレワークを実施」は0.2%にとどまった。

さらに、「新入社員研修の実施形式」を尋ねたところ、「リアルで実施」が最も多く、次いで「オンラインとリアルを組み合わせて実施」となった。新型コロナの5類移行を受けて、2024年4月入社からは「リアル」でのコミュニケーションを最重視する動きがうかがえる。

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