株式会社TOKYO BASEは2024年3月12日、新卒採用初任給の一律40万円への引き上げ、および全従業員を対象としたベースアップを実施したと発表した。業界最高水準の給与体系へと改定し、「日本一のファッション企業」を目指したい考えだ。
新卒初任給「40万円」への引き上げ・全従業員の給与ベースアップを実施。TOKYO BASEが“ファッション業界最高水準”の給与体系へ

「ファッション業界の最高水準」、「グローバル基準の給与水準」を目指し給与体系を改定

TOKYO BASEは2024年3月12日、「日本⼀のファッション企業」の目標に向けた施策として、給与体系を改定したと発表した。給与体系の改定内容として、新卒採用初任給の月額支給額を一律40万円へと引き上げたことに加え、全従業員(正社員)の月額支給額を40万円以上とするベースアップを行った。

同社がこのタイミングで初任給の引き上げやベースアップを実施する背景には、以下の3つの理由があるという。

1.「日本一のファッション企業」を目指す
同社は「日本一のファッション企業」になることを掲げている。日本一の会社になるには給与も日本一を目指す必要があると考え、国内のファッション業界の最高水準となる給与体系への改定を決断した。

また、同社の代表取締役CEO・谷氏はかねてよりファッション業界に変革をもたらし、業界の社会的地位を向上させることを目指してきた。「給与だけが大切なわけではないが、社会的地位の向上には収入を上げることが不可欠である」とし、以前より給与体系の改定を検討していたが、今回の給与改定により、従来ファッション業界に就業してこなかった人材の採用も目指す考えだ。

2.グローバル基準の給与水準を目指す
同社はグローバルでの事業展開を推し進めており、給与もグローバル基準に合わせる必要があると考えてきた。同社の販売スタッフの業務は販売以外にも多岐に渡り、対価としての40万円は決して高くなく適正であるとしている。現場主義を掲げる同社では、現場のスタッフに適正な対価を支払いたいと考え、先行投資ではあるがグローバル基準に合わせた対価を支払うことにした。

3.業界最高水準の給与を賄うビジネスモデルの実現
同社では収益を伸ばしていくために、東京・名古屋・大阪の中価格帯以上の商業施設に絞った出店や売上のみを目的とした低価格帯事業の撤廃、営業力の強化などにより、生産性の向上を進めてきた。このビジネスモデルを磨き上げることで業界最高水準の給与を賄えるようになったため、このタイミングでの給与体系の改定を決定した。

今回決定した給与改定の概要は以下の通り。

<初任給>
改定前初任給:300,000円
改定後初任給:400,000円
※2024年4月入社以降の新入社員に適用
※固定残業代および固定交通費を含む月額支給額

<ベースアップ>
全従業員(正社員)の月額支給額:一律40万円以上

※2024年2月分(3月15日支給)より適用
労働者不足が深刻化する日本において、賃上げによる人材への投資は、課題解決に有効な対策と考えられる。本事例を参考に、自社での給与体系を見直してみてはいかがだろうか。

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