株式会社学情は2024年3月11日、「入社式」と「新入社員の勤務形態」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2024年2月22日~3月1日で、企業・団体の人事担当者617名より回答を得ている。本調査結果から、2024年4月入社の入社式の実施形式のほか、新入社員の勤務形態や新入社員研修の実施形式が明らかになった。
入社式の「リアル」実施は9割以上、新入社員研修も約8割が対面のみに。歓迎会・懇親会やコミュニケーションを重視か

【入社式】「リアル」実施を予定する企業が9割超。前年比6.8ポイント増に

コロナ禍において企業では、リモートワークやWeb商談といった「オンライン」を活用した働き方が増えた。アフターコロナのフェーズに入り、「リアル」でコミュニケーションを図るニーズも増えつつある中、2024年4月入社の入社式は、「オンライン」と「リアル」のどちらで実施されるのだろうか。

はじめに学情は、「2024年4月入社の入社式の実施形式」を尋ねた。すると、「リアルで実施」と回答した企業は88%と9割に迫った。「リアル」で実施する企業の割合は、2023年(81.2%)より6.8ポイント増、2022年(67.2%)より20.8ポイント増になったという。また、「オンラインとリアルを組み合わせて実施」(3.3%)と合わせると、9割以上の企業が「リアル」で実施予定であることがわかった。一方、「実施しない」(8%)は1割未満だった。

自由回答には、「コロナが5類に移行したので」、「2024年入社は内定式など入社までのプログラムもリアルで開催している」といった声のほか、「同期同士で交流して欲しい」「先輩社員と交流して欲しい」といった声が寄せられたとのことだ。
2024年4月入社の入社式の実施形式

【入社式の実施コンテンツ】「社員と交流できる」、「同期と一緒に『体験』ができる」ものが上位に

続いて同社が「入社式で実施するコンテンツ」を尋ねたところ、コンテンツ内容で最も多かった回答は「社員と交流できる」(39.2%)だった。以下、「同期と一緒に『体験』ができる」(24.2%)、「キャリアプランなどの目標設定ができる」(5.9%)と続いた。

具体的な内容として、「役員との懇親会を予定している」、「直接社長から辞令を交付する」、「ワークを通じて同期同士の交流を深めてもらう」といった声があがったという。
入社式で実施するもの

【新入社員の勤務形態】約9割が「出社」で「テレワーク」はわずか0.2%にとどまる

次に同社が、新入社員の入社後の勤務形態について調べると、「出社」(88.1%)が最多で、次いで「出社とテレワークの組み合わせ」(8.9%)となった。一方、「入社後すぐにテレワークを実施」は0.2%にとどまった。

自由回答として、「会社としてはテレワークと出社を組み合わせた勤務を基本としているものの、入社1年間は原則毎日出社としている」、「出社のほうが、気軽に質問できると思う」、「まずは会社の雰囲気に慣れて欲しい」といった声が寄せられたという。
2024年4月入社の新入社員の勤務形態

【若手社員のテレワーク課題】「モチベーションがつかみにくい」、「コミュニケーション不足」などを懸念

次いで同社は、「若手社員がテレワークを実施する際に課題になる点」を聞いた。その結果、「モチベーションなどの状態がつかみにくい」(82.2%)が最も多く、以下、「報連相などのコミュニケーション不足」(72.6%)、「作業の進捗状況や成果の把握が難しい」(68.5%)と続いた。
若手社員がテレワークを実施する際に課題になる点

【新入社員研修の実施形式】「リアルで実施」が約8割。「実施しない」は1割に満たず

最後に同社が「新入社員研修の実施形式」を尋ねたところ、「リアルで実施」(79%)が最多で、次いで「オンラインとリアルを組み合わせて実施」(15.1%)となった。一方、「実施しない」(4.7%)は1割に満たなかった。

回答者からの声として、「2023年度からリアルに戻し、入社1年目の退職が減った」、「新入社員同士の仲を深めてもらうプログラムを複数用意している」、「オンライン商談に対応できるように、一部オンラインでの研修も実施する」といった意見が聞かれたという。
2024年4月入社の新入社員研修の実施形式
本調査結果から、入社式を「リアル」開催で予定している企業は9割を超えており、入社式の内容としては「社員と交流できるコンテンツ」を計画している企業が多いとわかった。また、入社後の勤務形態は「出社」が多く検討されており、新入社員研修を「リアル」で実施予定の企業は約8割だった。コロナ禍ではオンラインで入社式などを実施する企業や入社後すぐにテレワークを取り入れる企業が多かったものの、2024年4月入社からは、「リアル」でのコミュニケーションを重要視する動きがうかがえる。今回の調査結果を、自社での入社式や勤務形態について検討する際の参考にしていきたい。

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