「今後の副業意向」は2022年5月の調査開始以降、過去最多に
収入増だけでなく、新たなスキル習得のために副業する個人が増えつつあり、社員の副業を容認する企業も増加傾向にある。企業で働く会社員は、副業についてどのような考えを持っているのだろうか。はじめにパーソルイノベーションは、「今後半年間での副業意向」を尋ね、2022年~2023年11月までの推移をまとめた。すると、「副業を実施するつもりだ」とする人は、2023年11月では51.7%で、2022年5月の調査開始以降最も高い数値となった。
副業しない理由のトップは「本業が忙しい」。副業を容認する企業は増加傾向に
続いて、同社が「直近半年間に副業を実施しなかった理由の推移」を調べたところ、「本業が忙しい」との回答が最も多く、前年同月(2022年11月)比で6.3%増加した。2023年5月のコロナ5類移行後に当該回答者の増加が顕著になっていることから、出社の再開などで本業の働き方に融通が利きづらくなった可能性が伺える。また、「所属企業が副業を禁止している」との回答は、前回調査(2023年8月)の21.8%から16.7%へと減少した。前年同月(2022年11月)の調査結果と比べても3.3%減少しており、従業員の副業を認める企業が徐々に増えてきていることが示された。
“現在の会社の評価満足度”が高いほど「副業実施率」も高い傾向に
次いで同社は、「現在の会社の人事考課への満足度と、その度合いごとの副業実施の有無」を調べた。すると、人事考課に「満足している」場合の副業実施率は82.4%と、8割を超えた。一方で、人事考課に「満足していない」場合の副業実施率は20.3%と、2割にとどまった。人事考課/給与待遇ともに、満足度が高いほど副業を実施していることがわかった。
副業の実施理由は「現在の会社への評価」により異なる結果に
さらに同社は、「現在の会社での人事考課の満足度」と「副業理由」の関係性を調べた。すると、「周囲から誘われた」との理由では、満足度が高ければ高いほど回答率が高くなることがわかった。また、「現職でやりたいことができない」との回答では、「満足している」とした人の割合が、他の満足度よりも高い数値を示した。
また、「現職でやりたいことができない」の回答も同様に、「満足している」とした人の割合は、他の満足度よりも高い比率だった。