【民間企業】雇用障がい者数・実雇用率ともに過去最高を更新
「障害者雇用促進法」では事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(民間企業の場合は2.3%)以上の障がい者雇用を義務付けている。同法では、企業で障がい者を法定雇用率以上の割合で雇用することにより、個々人が障がいに関係なく、希望や能力に応じて職業を通じた社会参加のできる「共生社会」の実現を目指すと定めている。厚労省は今回、同法に基づき障がい者の雇用義務のある事業主などに対し、2023年6月1日現在の身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者の雇用状況について報告を求めた。同省はその結果をまとめて「令和5年・障害者雇用状況の集計結果」を公表し、前年(2022年)の同様の調査と比較している。なお、「民間企業」(法定雇用率:2.3%)の障がい者雇用状況の概要は以下の通りだ。
民間企業(43.5人以上規模の企業:法定雇用率2.3%)に雇用されている障がい者の数は642,178人で、前年より28,220人増加(対前年比4.6%増)。20年連続で過去最高となった
●実雇用率
実雇用率は、過去最高の2.33%(前年2.25%)で、対前年比0.08ポイント上昇
●法定雇用率達成企業の割合
法定雇用率達成企業の割合は、50.1%(同48.3%)と半数を超え、対前年比1.8ポイント増加
【公的機関】雇用障がい者数・実雇用率ともに前年を上回る結果に
公的機関(法定雇用率:2.6%、都道府県などの教育委員会は2.5%)の概要は以下の通り。※カッコ内は前年の値
●雇用障がい者数
9,940人(9,703人)、前年比2.4%増加
●実雇用率
2.92%(2.85%)、前年比0.07ポイント上昇
●法定雇用率
44機関全てにおいて達成
<都道府県>
●雇用障がい者数
1万627.5人(1万409人)、前年比2.1%増加
●実雇用率
2.96%(2.86%)、前年比0.1ポイント上昇
●法定雇用率
知事部局は47機関全て達成、知事部局以外は116機関中105機関が達成
<市町村>
●雇用障がい者数
3万5,611.5人(3万4,535.5人)、前年比3.1%増加
●実雇用率
2.63%(2.57%)、前年比0.06ポイント上昇
●法定雇用率
2,460機関中1,910機関が達成
<教育委員会>
●雇用障がい者数
1万6,999人(1万6,501人)、前年比3%増加
●実雇用率
2.34%(2.27%)、前年比0.07ポイント上昇
●法定雇用率
都道府県教育委員会は47機関中31機関が達成、市町村教育委員会は48機関中33機関が達成
【独立行政法人等】雇用障がい者数・実雇用率ともに対前年で上回る
独立行政法人等(法定雇用率:2.6%)の概要は以下の通りだ。※カッコ内は前年の値
雇用障がい者数1万2,879.5人(1万2,420.5人)、前年比3.7%増加
●実雇用率
2.76%(2.72%)、前年比0.04ポイント上昇
●法定雇用率
独立行政法人等(国立大学法人等を除く)は93法人中80法人が達成、国立大学法人等は86法人中77法人が達成、地方独立行政法人等は190法人中151法人が達成